7日、東京・台東区内の公立小学校教師、近藤正人容疑者(44)が、6月24日、埼玉県幸手市内で、女子高校生に抱きつくなどした疑いで、逮捕されました。

近藤正人容疑者(44)
近藤正人容疑者(44)
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全国で相次ぐ、教師によるわいせつ事件。
2023年に、公立学校で性犯罪・性暴力などにより懲戒処分などを受けた教職員は320人。そのうち、児童・生徒等に対する性犯罪・性暴力により懲戒処分を受けた教職員は157人にのぼりました。

特に世間に大きな衝撃を与えたのは、“教師による盗撮用グループチャット”の存在です。

6月に起きた、小学校教師らが女子児童の盗撮画像をSNSで共有した疑いで逮捕された事件で、容疑者らが使用していた“チャットアプリ”。

ネット上の違法な画像や動画のやりとりをパトロールしている、「ひいらぎネット」代表の永守すみれ氏によると、この5年で盗撮グループは500件ほど見つかっており、なかには1グループに2000~3000人が参加しているものもあったといいます。

永守氏が見つけた“闇コミュニティー”内では、グループ主催者が他の参加者に対して、盗撮のやり方を指南する音声のやりとりや、盗撮方法を質問する書き込みなどが残されていました。

本来、子供たちや保護者がもっとも信頼すべき「教職員」が起こす“卑劣な犯罪”。

国は、教員を採用する際に、児童・生徒へのわいせつ処分歴がないか、国のデータベースで確認することを義務づけていますが、文科省が私立の幼稚園や小中高校を運営する学校法人に対して行った調査では、約75%にあたる5480法人が確認を行っていたかったことがわかりました。

確認をしなかった理由として、「義務を課せられていることを知らなかった」「IDやパスワードが不明でログインできない」という回答があったということです。

チャットアプリの手軽さを“悪用”

犯罪ジャーナリストの石原行雄氏によると、悪用されたチャットアプリは、本来、オンラインゲームのユーザー同士が交流を楽しんだりするためのアプリだといいます。

犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏:
5億人くらいが利用している人気のアプリで、もちろんほとんどの方は正しい使い方をしています。特徴として、コミュニティーを作ってグループチャットがやりやすいと。そういう意味では、不特定多数の第三者を巻き込んで情報交換する、画像や動画を交換しやすいので、そこを悪用されたと。

――盗撮の方法を教えるなどは「犯罪教唆」なのに、なぜ放置されているんですか?
このようなものもそうですし、例えば痴漢仲間を募集する掲示板なんかもいまだにあったりするのですが、そういうものが本当に犯行につながるのか、あくまでも“ファンタジー”として文字やトークで情報交換しているだけなのかの切り分けが…表現の自由なんかも抵触してくると。
今まではそうでしたが、これだけ具体的な犯罪が行われているんだということはありますから、警察はきちんと動いて、それこそ闇バイト募集がSNSで過去には放置状態でしたが、今はきちんと監視されるようになりましたから、それと同じことが今後は期待できると。

――自分の子どもが被害に遭っているかも知れないことはどうやって知ればいいのか?
これまでは、被害が発生してその捜査の中でこういうものが分かるという「後追い」だったわけです。ですが、今後は先だってそういう捜査も始まっていくと思います。
闇バイト募集と同じように、仮想捜査がこういう分野で力を発揮する可能性があるかと。

――アプリ内で拡散された画像などは消すことができる?
そこが難しいところで、一人犯人がいて盗撮をしても、コミュニティー内で公開したり配布したり、売買したりということがあるので、そうすると、何人か捕まってもその画像動画を持っている者が多数いる可能性が極めて高い。

――チャットアプリから犯人を追跡することは?
そんなに難しいことではないと思います。やりとり自体はクローズドの場所で行われていますが、アプリの構造自体は特に秘匿性の高いアプリというわけではありませんので、証拠は随所に残っていますから。あとは、アプリの運営がどこまで捜査に協力的かというところですね、協力的であれば、捜査はそんなに難しくはないと。
(「サン!シャイン」2025年7月10日放送)