クマによる被害が相次いでいる岩手県北上市和賀町では、同じ車庫が連日被害に遭い、住人は「震えが止まらなかった」と恐怖を語った。クマはシャッターを壊して侵入し、保冷庫内の米袋を荒らした。隣接する花巻市では小屋に侵入されニワトリ3羽が食べられる被害も発生した。北上市和賀町では7月4日に81歳の女性がクマに襲われ遺体で見つかったほか物を壊されるなどの被害が出ていて、市は対策を強化している。
シャッター破壊して侵入するクマ
7月8日午後9時すぎ、北上市和賀町煤孫の住宅で、住人が車庫内にクマがいることに気づき警察に通報した。
クマは約1時間、車庫内にとどまり、保冷庫の扉を開けて米袋を破って立ち去ったという。

この車庫では同日朝にも同様の被害が確認されていた。
住人は車庫の入り口にクマ鈴付きのネットを設置するなどの対策を講じていたが、夜にはクマはその入り口を回避しシャッターを壊して侵入してきたのだ。

被害に遭った住人は「すごい音だった。"バリバリ"とか"バンバン"とか」と恐怖を語った。そして「どうやって対策したらいいかわからない」と不安を募らせている。
相次ぐクマ被害、死亡事故も
北上市和賀町では、クマによる被害が相次いでいる。
8日夜にシャッターが壊された煤孫地区と隣接する山口地区では、6月1日から7月9日までの間に12カ所・15件の被害が報告されている。その中には、81歳の女性がクマに襲われ遺体で発見されるという痛ましい事例も含まれている。
こうした状況を受け、北上市は9日に3回目となる危機対策本部会議を開き、わなの設置数を増やすことを決定した。午前10時時点で5カ所にわなが設置されているという。

八重樫浩文市長は「わなもしくは銃で、捕獲・駆除をするように、今も猟友会と一緒に取り組んでいる」と対応策を説明した。
隣接する花巻市でもニワトリが被害
クマの被害は北上市だけにとどまらない。
隣接する花巻市湯口でも9日午前7時ごろ、ニワトリ小屋が破壊され、小さな穴から侵入して飼育されていた4羽のニワトリのうち3羽がクマに食べられる被害が発生した。

小屋の所有者は「(クマにやられたのは)初めてだ、ここの中で(ニワトリを)食べているのは。何とかしてほしいなというのはある」と訴える。

各地でクマが出没している状況を受け、警察や市は引き続き警戒を続けている。
(岩手めんこいテレビ)