陸上自衛隊の輸送機「オスプレイ」の佐賀県への配備が始まった。2025年7月9日、暫定配備先の千葉・木更津駐屯地から最初の1機が、佐賀駐屯地に到着。国が強化を急ぐ防衛力の「南西シフト」が本格化してきた。

佐賀配備は防衛力の「南西シフト」

佐賀県配備となる最初のオスプレイは、7月9日午前10時20分頃、経由地の高遊原分屯地(熊本県)から佐賀空港上空に飛来。

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大勢の報道陣などが待ち構える中、空港西側に新設された佐賀駐屯地に到着した。防衛省は、木更津駐屯地に暫定配備されている残りの16機についても、8月中旬までに順次、佐賀駐屯地に移す方針だ。

今回の佐賀県へのオスプレイ配備は、中国軍が海洋進出の動きを強める中、九州・沖縄の防衛力を強化する「南西シフト」の一環だ。中谷防衛大臣は、7月8日の会見で、「南西地域を含む島しょ防衛能力の強化を実現する上で、極めて大きな意味を持つ」とオスプレイの佐賀県配備の重要性を強調すると共に、地域住民の理解を求めた。

今回配備されたオスプレイは、長崎・佐世保市に主力部隊を置く、離島防衛を主な任務とする専門部隊「水陸機動団」の迅速な輸送を担っている。

防衛省は、部隊と移動手段の一体的な運用体制の構築は、島しょ防衛能力強化において、極めて重要と位置付けている。

「水陸機動団」訓練(資料)
「水陸機動団」訓練(資料)

事故多く不安ぬぐえぬ地域住民

オスプレイを巡っては、2023年、米軍の機体が、鹿児島・屋久島沖に墜落し、乗員8人が死亡している。この他にもオスプレイは、過去に事故が相次いでいることから、佐賀駐屯地の前では、9日、配備に反対する市民が集まり、抗議の声をあげた。

佐賀駐屯地に配備されたオスプレイは、天候不良などの場合、隣接する福岡・柳川市の上空を飛行するとされ、福岡県内でも安全性や騒音などへの懸念が強まっている。

(テレビ西日本)

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