猛烈な暑さに見舞われている日本。その影響は人だけではなく、野菜にも表れていました。

栃木県立宇都宮東高校・附属中学校の生徒たちの服装をよく見ると…、はいているのは、ズボンではなくハーフパンツ。

生徒は、「暑さ対策っていう目的で導入しました」「最近どんどん暑くなっていて、登下校も自転車で通学している人が多いので、長ズボンとかスカートでも暑さっていうのが関わってきて」などと話しました。

生徒からの提案を受け、この夏からユニクロと無印良品の市販品も制服として認めることにしたといいます。

一方、東京・浅草の浅草寺では、朱色に染まったみずみずしいホオズキを目当てに9日から始まったほおずき市に多くの人が訪れていました。

9日の浅草の気温は午後1時時点で34度。
熱中症警戒アラートは、2025年最多の32都府県に発表され、猛烈な暑さが続いています。
連日の猛暑の影響に疲弊しているのは人間だけではありませんでした。

埼玉・秩父市にある丸山農園では、糖度が高いみずみずしいトマトにも影響が出ていました。

丸山農園・丸山貴吾さん:
だいぶ暑くなって、お花が本当だったら咲いているはずで、そういった部分も全部こういうふうに焼けて枯れちゃっているような。それはもう商品にならないですね。

本来、ひと房に10個ほどのトマトの実がつくはずが、猛暑の影響で花が落ち、2個しかとれないこともあるといいます。
毎日1kgほどが廃棄処分になり、すでに10万円の損失が出ているといいます。
早くも夏野菜の価格が平年より高騰しています。

丸山さんは廃棄を少しでもなくすため、遮光ネットを設置したり、水の量を増やしたりするなどしていますが、費用がかかり、いたちごっこのような状態だといいます。

夏野菜の高騰に苦しめられるのは農家だけではありません。
夏野菜がたっぷりと入ったカレーが人気の「ガネー舎」も野菜価格の高騰に苦しめられていました。

ガネー舎・米山幸彦店主:
夏野菜のナスが上がってます。春先の時は200円切っていた、それが今300円まで出してる。結構値段的にはきつい。

店側は、不ぞろいな形のナスを仕入れるなどし値段を抑えているということです。

ガネー舎・米山幸彦店主:
サラリーマンの街ですし、(値段を)上げたくても上げられない。そこら辺は我慢している。

そんな中、取材班が見つけたのは巨大な大根やキャベツ。
広島・尾道市にある「万田発酵」が酵素を使い栽培した野菜です。
この巨大野菜が救世主になるかもしれないというのです。

万田発酵 アグリバイオ技術部・平川純一さん:
当社では年間通じて5種類。ジャンボスイカとジャンボカボチャも栽培しています。おいしさはもちろん、大きさにもこだわっています。猛暑の中でも、うちの農業資材を使っていただいて、安定的に作っていただけるのではないか。

独自の酵素技術を活用し、植物の生命力を高め、暑さにも強いというジャンボ野菜。

規格外の野菜であるため、収穫効率の悪さや輸送コストの課題はあるものの、「将来性がある」と開発者の平川さんは言います。

万田発酵 アグリバイオ技術部・平川純一さん:
ジャンボ野菜は1つの実で多くの方が召し上がれる量を生み出す。その大きさが救世主となるシーンが十分にあると思います。

私たちの健康や生活に大きな影響を与える猛暑。
気象庁によると、猛暑は今後、続く見込みです。