岡山理科大学などの研究チームは、高梁市で見つかった化石が恐竜時代に海で生活していた爬虫類、「魚竜」と判明したと発表しました。化石は、二枚貝の化石を含む岩石として展示されていたものでした。

建築家・安藤忠雄さんの設計で知られる高梁市成羽美術館。ここに、30年以上前に発掘された二枚貝の化石を含む岩石が常設展示されていました。

2023年7月、県内の中高生向けに化石の解説をするため、美術館を訪れていた岡山理科大学の加藤敬史教授があることに気付きました。

(岡山理科大学生物地球学部恐竜学科 加藤敬史教授)
「二枚貝の化石の密集している地層の中に含まれているのを展示されている岩塊の側面に骨が入っているのを確認しました」

赤く囲まれた部分に骨があると確信した加藤教授は幅15センチほどにスライスしたものを福井大学へ持ち込み、X線で内部を分析しました。すると背骨や肋骨、肩甲骨などが集まっていて、恐竜時代に海で生活していた爬虫類、「魚竜」の特徴と合致したということです。魚竜の化石の発見は国内で2例目。西日本では初めてです。

(岡山理科大学生物地球学部恐竜学科 加藤敬史教授)
「(背骨の)椎体の上に肋骨が付着する間接面が2つあり、肋骨の断面がひょうたん型でそういう特徴が魚竜であろう」

化石が発掘されたのは高梁市西部に広がる成羽層群で、約2億2000万年前のものと判明。肩甲骨の形などからイルカのような形の「魚竜」とみられるということです。加藤教授らの研究チームは6月29日、北海道大学で開かれた日本古生物学会で今回の成果を発表しました。

魚竜の中で最古の発見と評価され、注目を集めています。

岡山放送
岡山放送

岡山・香川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。