石破首相は8日午前、アメリカのトランプ大統領が、各国へ新たな関税を課す書簡を公表し、日本からの輸入品に対しては25%の関税を8月1日から課すとしたことについて、事実上の据え置きでの協議継続だとの見方を示しつつ、「誠に遺憾だ」と述べた。
政府の米国の関税措置に関する総合対策本部で発言したもので、石破首相は「このたびの書簡による税率は、トランプ大統領が最近発信した30%や35%ではなく事実上据え置きするものであり、かつ協議の期限を延長するものだ。米側からも、日本側の対応次第では書簡の内容を見直し得るものとして、新たな8月1日の期限に向けて日本側との協議を速やかに進めていきたい旨の提案を受けている」と述べた。
その上で、「今般、米国政府が既に課している追加関税に加え関税率の引き上げを発表したことは、誠に遺憾だ」との意向を示した。
これまでの協議で合意できていないことについては「日本政府として、安易な妥協を避け求めるべきものは求め、守るべきものは守るべく厳しい協議を続けてきたからだ」と述べ、「同時に米側との度重なる協議を経て議論には進展も見られる」との認識を示した。
さらに今後の日米協議に向けて石破首相は、閣僚に対し、
▲引き続き日米間の協議を継続し、国益を守りつつ、日米双方の利益となるような合意の可能性を精力的に探ること
▲一連の関税措置を含む米国政府の動向や、各国の対応を見極めるとともに、我が国への影響を十分に分析すること
▲今後とも米国による一連の関税措置が我が国の国内産業や雇用に与える影響の緩和に万全を期すこと
以上の3点を指示し、「引き続き、我が国の国益を守りながら、米国との協議を続け政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでいただくようにお願いする」と述べた。