FNNでは「戦後80年 いま、平和ですか」と題し、平和の現在地を探るキャンペーンを展開しています。
モンゴルでは、旧ソ連の捕虜となった日本人が抑留された歴史があり、その抑留者と、歴史を伝えるモンゴルの男性を取材しました。
深く拝礼される、皇太子時代の陛下。
80年前にモンゴルで抑留された日本人の慰霊碑です。
今回FNNが入手した映像には、木材を切り出す抑留者の姿が残されています。
終戦後、旧ソ連の捕虜のうち1万4000人ほどがモンゴルに連行され、マイナス30度にもなる過酷な環境で、約1700人が亡くなりました。
山田秀三さん:
食糧はない。一切合切ない中で、寒さにやられて栄養失調で死んでいった。
過酷な強制労働を生き抜いた山田秀三さん、107歳。
次々と仲間が命を落とした悲しみを今も忘れません。
その山田さんの元を2024年、1人のモンゴルの男性が訪ねました。
ウルジートグトフさん(48):
山田さんは、スフバートル広場の凍った地面を鉄の棒で砕くのに苦労したと話していました。
ウルジートグトフさんは、住もうとした土地が、抑留者が手作業で石を切り出した場所だと知り、私財を投じて公園として整備し、当時を伝える資料館を開設しました。
今は市民がボートで遊ぶ公園になっていますが、当時抑留された日本兵士の一部は、岩場で石を切り出す作業に当たっていました。
抑留者が建設に関わった政府庁舎などは今も使われ、山田さんが基礎を掘ったスフバートル広場では、8日、両陛下の歓迎式典が行われます。
2人に共通するのは「平和を願い、抑留者の歴史を伝えたい」という思いです。
山田秀三さん:
武器なんか作らんと、平和な物を…。
ウルジートグトフさん:
モンゴルで日本人抑留者が重要な建設作業をしていたことを、両国の国民にわかるように届けたい。
戦後80年。
両陛下は8日、慰霊碑を拝礼されます。