包丁は切れ味が命。とはいえ、「研ぐのは難しそう」と思って包丁研ぎを後回しにしている人は多いはず。
しかし、切れ味の悪い包丁は、料理の味や見た目、楽しさも損なってしまうため定期的なメンテナンスが必要だ。

貝印の包丁マイスター・林泰彦さんに、基本的な研ぎ方とポイントを教えてもらった。
砥石を使った包丁の研ぎ方
林さんが教える包丁の研ぎ方の手順は、次の通りだ。
【準備】
(1)砥石・包丁・研ぎ台(または濡れふきん)・砥石を水に浸ける容器を準備する。

(2)水を張った容器に砥石を入れ、気泡が出なくなるまで浸けておく。
【研ぐ】
(3)ミネ・アゴ・ハンドルの3点を支持するように利き手で包丁を持つ。

(4)刃を手前にし、砥石の縦方向に対して45~60度に置く。包丁を持っていないほうの手の人差し指と中指を刃に添える。包丁の持ち手が砥石に当たる場合は、上から見て砥石に対して刃が90度になるように置いてもよい。

刃の角度は、15度程度(隙間に小指が入る程度)を目安に。

(5)縦幅いっぱいを使って研ぐ。添える指は研ぐ部分を動かすたびにずらしていく。出てくる黒い研ぎ汁は捨てずに、砥石が渇いてきたら表面に水を足しながら研いでいく。

(6)全体に「バリ(刀反り・まくれ)が出てきたら、裏側も同じように研いでいく。

【バリ取り】
(7)新聞紙(なければ別の紙やデニム生地などの布)を広げ、包丁を滑らせながら両面をこすり、バリを落とす。全体にバリを感じなくなったら完了。この時包丁を立てすぎないように注意する。

以上が包丁の研ぎ方の基本となるが、林さんは研ぐときは次の5つのポイントに注意してほしいと話す。