飲食店に架空の予約を入れたうえ、高級ワインの代金を振り込ませる、いわゆる“ドタキャン詐欺”。
その被害が全国に広がる中、新たに手口が巧妙化していることが分かりました。
被害に遭った店主:
善意でやっている人たちをだますのは、人間としてどうかと。
こう訴えるのは、100万円近い金をだまし取られた、JR富山駅近くにある創作和食居酒屋の店主。
始まりは、6月24日の夜。
被害に遭った店主:
“白川”という名前から予約をもらって。
“白川”を名乗る人物は当日になり、「高級ワインを用意してほしい」と突然、言ってきたといいます。
白川が頼んできたのは、1本20万円以上する高級ワイン。
指定された銀行口座に4本分、96万円を振り込みました。
ところが、予約の時間を過ぎても白川は現れず、高級ワインが届くこともありませんでした。
被害に遭った店主:
いつか(犯人に)報いが来るんじゃないか。それを祈るしかない。
全国に被害が広がるドタキャン詐欺。
取材を進めていくと、その手口が変化しつつあることが分かりました。
熊本市 ポポラ・長谷部徹店長:
“渡辺”という人。(“渡辺”の方で)取引していたワインの会社が在庫を持っていると。LINEの方に画像で名刺が送られてきた。
6月27日、熊本市内の店にあったという“渡辺”なる人物からの予約電話。
ただ今回は、紹介する酒店の名刺をLINEで送ってきたといいます。
書かれていたのは、担当者の“上田”という名前と、実在する酒店の名前でした。
熊本市 ポポラ・長谷部徹店長:
(担当者“上田”の)携帯に電話した(“上田”は)電話に出たとき、違うワインショップの名前を言った。調べて(名刺の店が)実在したので、そこに電話してみた。(酒店のオーナーと)話をしたら、「詐欺かもしれないですよ」と。
取材班も名刺に名前を使われた酒店に話を聞きました。
名刺に店名を使われた酒店のオーナー:
4、5件電話があって、「在庫ありますか?」という。1件は佐賀県、福岡県も1件。当店に“上田”という者はいない。(名刺は)偽造だと思う。
「イット!」が当初取材した都内の店の発信によると、もともと“古賀”だった“渡辺”はプロフィール画像も変え、今は“小島”と名乗っていることが明らかに。
東京・八王子市 GURECO 木暮誠さん:
単純なやり方が広まったから、だんだん巧妙なことをやり出したか。同じ飲食店として「こういう詐欺がある」と知ってほしい。