今週発表された相続税などの基準となる土地の価格「路線価」。

上昇率が最も大きかったのは東京都の8.1%。
インバウンド需要や住宅需要の高まりなどが路線価を押し上げました。

関東のその他の県もほぼ上昇しています。

そんな中、関東で唯一下がったのが群馬県。
世界遺産の富岡製糸場などがあるのに一体、なぜなのか。

製糸場がある富岡市は2024年より2.6%下がり、6年連続の下落となっています。

原因を探るため、「イット!」取材班は富岡製糸場へ向かいました。

すると、入場券を買う窓口には誰もいない時間帯もありました。

世界遺産に登録されたのは11年前。
当時は入場者の長い列が道路にまで延びていました。

世界遺産になった年の年間入場者数は約133万人。
しかし、その後コロナ禍で落ち込み回復しつつはあるものの現在は年間約36万人。
ピークの28%にとどまっています。

観光客からは「人が少ない。もっと観光地っぽいと思った」「初めて来たが少し寂しいな。もう少し人がいるのかなと思った」といった声が聞かれました。

世界遺産への登録が決まった当時には、富岡製糸場のそばの通りの店がにぎやかに観光ムードを盛り上げていました。

しかし、今は全く別の雰囲気です。
ほとんど営業していないシャッター通りに。
通りからはにぎわいが消えていました。

地元のタクシー運転手:
交通の手段が悪いので、観光客が来ても移動できない。

一方、同じ群馬県でも路線価が最高の上昇率となった温泉地もあります。

2024年度の観光客が過去最多400万人を超えた群馬県の「草津温泉」。
路線価は2年連続で上昇しました。

航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏はその理由について「温泉は強いコンテンツ。外国人観光客を取り込むにはやはり写真映えするスポット。そういうスポットがより注目を集めるのではないか」と話しました。

草津温泉では9年前に夜の湯畑のライトアップをスタート。
この“映えスポット”が話題となり、若者や外国人観光客が急増したといいます。

富岡製糸場がある同じ群馬の富岡市も、入場者数の1%にとどまっている外国人観光客を狙い、SNSのショート動画を多言語で配信するなどのPR策を検討しています。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
非常にいいコンテンツは持っている。リピーターとして行ってみたいと思うような施策が必要ではないかと思う。