岡山・香川の頑張っているアマチュアアスリートを応援する「キラキラアスリート」。今回紹介するのは、玉野市出身で陸上砲丸投げ・玉野光南高校3年の赤澤瑠依選手(18)です。
岡山市北区のJFE晴れの国スタジアムで5月29日~31日に行われた岡山県高校総体(陸上競技)で、赤澤選手は男子砲丸投げで大会記録を更新する17メートル34で、男子ハンマー投げでも52メートル98でそれぞれ1位に、男子円盤投げでは3位(38メートル44)になりました。
そして、6月20日に広島県で行われた中国高校総体でも、砲丸投げで大会記録を更新する17メートル03を投げ1位に、ハンマー投げでも2位に入り、この2種目で7月25日から広島市で行われる中国インターハイへの出場を決めています。
「特に意識をせず、これまでやってきたことを出す」との思いで臨んだこの大会。砲丸投げ競技ではリラックスした状態でサークルに入り、1投目でいきなり大会記録を更新。6投目でも同じ記録を出して他の選手を寄せ付けない強さをみせました。
5月に県高校新記録となる17メートル40を出していただけに「まだまだ伸ばせた」と試合後に悔しさを見せた赤澤選手。砲丸投げ表彰式の後に、大会の感想や今後の目標などを聞きました。(撮影と聞き手:OHK岡山放送 西村和子)
Q:玉野光南高校の先輩、伊加海璃さん(現:福岡大2年)が持っていた大会新記録を更新。今の気持ちは?
(赤澤瑠依選手)
「自分としてはまだまだ(記録を)伸ばせるかなと思った。伊加さんの記録はまだ通過点。もっと投げたいと思います」
Q:1投目と最後の6投目で新記録となる17メートル34。目標はどこに置いていたか?
「きょうの目標は、まず自己ベストを出しつつ、18メートルを投げる予定でした」
Q:5月5日に丸亀市でと県高校新記録を樹立。それを念頭に18メートルを目指そうとしていたと
「はい」
Q:自己ベスト更新はならなかったが、18メートルという記録に向け、中国大会までに伸ばしたいところは?
「体を大きくしつつ、技術もまず基礎からちゃんとして、アベレージとして18メートル以上を投げられるようにしたいと思います」
Q:(計6回の)投てきの間にも、投げる前のイメージトレーニングをやっていた。投げるフォームであるとか、常日頃の練習の中で気をつけていることは?
「ファーストターンで大きく回って、セカンドからは下半身からのパワーを支えるように意識しています」
Q:玉野光南では同学年の井上(敏志)選手など、今夏のインターハイで上位を狙える選手と一緒に練習していると思う。2024年のインターハイは「記録なし」に終わったが、今回は中国大会で出場枠を取り、インターハイに出場します。目標は?
「目標は、まずは1位に。1位を狙って18メートル(の記録)を安定して出す。18メートル50ぐらいを狙っていきたい」
Q:(7月3日現在)2025年ランキングで他の都道府県に一人、すごい記録を出している選手(北海道・厚真高校2年・大垣尊良選手)がいるが、基本は1位を狙っていきたい
「はい」
Q:インターハイに向けての抱負を
「インターハイで優勝できるように基礎からやっていって、体も作って日本記録を目指していきたいと思います」
玉野市立荘内中時代に陸上部の顧問の先生に誘われ、3年生の頃から本格的に砲丸投げ競技を始めました。高校進学後はハンマー投げ・円盤投げにも取り組むことに。赤澤選手の言う「体づくり」は、朝の練習終了後や授業の合間に「極力お腹に入れる」こぶし大のサイズのおにぎり。好きな食べ物は試合前には欠かせない「鶏肉」のほか、祖母や母親手作りのパンです。体重も100キロを超え、高校トップレベルの投てきができるのも、家族のサポートがあってのことのようです。
一方、赤澤選手にはメンタル面でも強さを感じさせる一面も。試合中に記録が伸びないときは「まあ、今日はこんなもんで。少しずつ伸ばそう」と気持ちを落ち着かせているといいます。試合の合間の取材に対し“笑顔”で「誰にも負けない」と答える姿には余裕が感じられます。
将来は「教員やトレーナーなどの“人の役に立つ仕事”に就きたい」と話す赤澤選手が目標とする選手は、陸上砲丸投げでリオ・東京・パリ五輪の3大会連続で金メダルを獲得したライアン・クラウザー選手(アメリカ)。インターハイ優勝、日本記録など一つ一つの目標を実現させたその先に、「世界陸上」出場という夢も見えてくるかもしれません。
中国インターハイ陸上・男子ハンマー投げ競技は7月25日、砲丸投競技は7月27日にそれぞれ行われる予定です。