朝鮮総連傘下の貿易会社が差し押さえを免れるため、約5000万円の現金を隠し持っていたことがわかり、警視庁公安部が会社の代表取締役ら2人をきょうにも書類送検する方針を固めたことがわかりました。
今回摘発されたのは北朝鮮にも拠点があり、「総連系企業の老舗」とも呼ばれている貿易会社です。レンタルルームで見つかった5000万円は封筒に小分けにされていたということです。
警視庁公安部が2日にも書類送検する方針を固めたのは、東京・千代田区の貿易会社「東海商事」代表取締役の男(82)と取締役の男(58)の2人です。
いずれも北朝鮮籍の2人は、会社が整理回収機構への負債があるにも関わらず、差し押さえを免れるため、都内のレンタルルームに約5000万円を隠していた強制執行妨害の疑いが持たれていて、公安部は今年2月、会社や関係先を家宅捜索していました。
「東海商事」は、朝鮮総連との関係の深い「朝銀信用組合」から多額の融資を受けていましたが、「朝銀」の経営破綻以降不良債権を引き継いだ整理回収機構に、66億8600万円余りの返済義務を負っています。
公安部は「東海商事」が資金繰りが苦しいなかで、会社の運営資金を確保していたとみて捜査するとともに、北朝鮮の外貨獲得政策の一環だった可能性も視野に、実態解明を目指す方針です。