30日夕方、トカラ列島近海を震源とする地震で、震度5弱を観測した鹿児島県十島村の悪石島に、1日KTSのカメラが入りました。
住民たちはいつ起きるか分からない地震に疲れ切った様子で、不安の声が聞かれました。
こちらは1日の悪石島を上空から撮影した映像です。
上空から地震の爪痕は確認できず、十島村役場などによりますと今のところ被害の報告も入っていません。
43世帯89人が住む悪石島。
取材したのは、島に2つある集落のうちのひとつ、上集落です。
「こんにちは」
島で民宿を営む有川和則さん。
民宿 十和丸・有川和則さん
「下から突き上げてきて横揺れから振り回される感じ。12秒くらい(揺れた)」
30日夕方発生した震度5弱の地震について、経験がない揺れだったと話します。
有川和則さん
「きのうから睡眠不足、体がだるい。ちょっとした揺れでも目が覚める」
今までに群発地震を何度も経験した有川さんも、10日以上続く今回の一連の地震には疲れ切っていました。
有川和則さん
「みんあが地震の話から始まって地震の話で終わる。みんな睡眠不足や疲れ、早く収まってほしい(と話している)。いつ終わるのかわからないけど、本当に早く終わってほしい」
医療従事者も今回の地震に不安を抱えています。
看護師・渡部涼さん
「地震の揺れや放送が震度4以上で流れるので眠れない方が多いという話を聞く」
診療所に勤める看護師の渡部涼さん。
常駐する医師のいない悪石島で、1日、島内にいた唯一の医療従事者です。
看護師・渡部涼さん
「大きい地震が来ると避難の方法や医者が常駐していない中で、急患の手当は診療所の看護師だけで対応できない。村の消防団とも協力してやっていく。(地震を)想定して訓練しているか、実際に起きたらどうなるのか不安がある」
相次ぐ地震に住民たちが不安を抱える中、村でも対応を協議していると言います。
十島村・久保源一郎村長
「(村民への)ケアという形で職員を派遣できないか協議している、いつになるかは分からないが、調査という部分で直接的に住民の声を聞いて、いわば個別訪問になるかと思うが、そのようなことを今、協議している」
トカラ列島近海を震源とする震度1以上の地震は、6月21日から相次ぎ、6月23日に183回を観測、その後一旦減少しましたが再び増加傾向にあり、悪石島で震度5弱を観測した30日は62回、1日は午後5時までに82回を観測し、一連の地震の回数は合計で773回となっています。
気象台は当分の間、最大震度5弱程度の揺れへの注意を呼びかけているほか、落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性があるとしていて、住民の緊張の日々は続きます。