夏の政治決戦、参議院議員選挙が3日に公示されます。

BBTは情勢調査を行い、その結果、自民党の現職、堂故茂さんがリードし、国民民主党の新人、庭田幸恵さんが追う展開となっています。

調査は29日に富山新聞と社会調査研究センターと共同で実施しました。

NTTドコモの協力で開発されたアンケートサービスを使用し、2136人から有効回答を得ました。

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調査は29日までに立候補を表明していた自民党現職の堂故茂さん、国民民主党新人の庭田幸恵さん、共産党新人の坂本洋史さん、参政党新人の田保智世さんの4人を対象に実施しました。

1議席を争う富山選挙区、これまでの取材を加味した結果公示直前の情勢は、自民の堂故さんがリード、国民の庭田さんが追う展開で、参政の田保さんは伸び悩み、共産の坂本さんは苦戦しています。

地域別に見ると少し異なる傾向に

旧富山市をエリアとする富山1区では、自民の堂故さんと国民の庭田さんが「横一線」で拮抗しています。

これに対し、県東部の富山2区では堂故さんがややリード。

県西部の富山3区では堂故さんがリード、庭田さんが追う展開です。

旧富山市では堂故さんと庭田さんが横一線 地域による違いはどんな要因が?

候補者の地盤が大きく影響しているとみられます。

氷見市出身の堂故さんは、富山3区で知名度があり、富山市在住の庭田さんは、富山1区で浸透していると考えられますが、今回はそれに加えて、富山1区で判明した、田畑裕明衆院議員の不適切な党員登録問題が投票先に影響していると考えられます。

田畑議員の不適切な党員登録問題について

田畑議員はこれまでに事務所で管理する党員のうち262人が、本人に無断で登録するなどの不適切な登録だったことを認めていて、自民党富山市連や県連は、田畑議員を次期衆院選の公認候補となる選挙区支部長に選任しないよう党本部に上申することを決めています。

調査では、この不適切な党員登録問題について、「田畑議員が説明を尽くしていると思うか」についても聞きました。

「説明した」と答えた人は1割以下にとどまり、7割以上の人が「説明していない」と答えました。

さらに、田畑議員の問題を今回の投票を考える上で考慮するか聞いたところ、「考慮する」と答えたのは富山1区が59%、2区が54%、3区が56%といずれも過半数を超えました。

自民党にとっては逆風が吹き続ける中での選挙となりそうですね。

特に旧富山市の富山1区はもともと無党派層が多いエリアです。

自民への批判票の受け皿がどこに流れるかが注目です。

支持政党別

今回の情勢調査を有権者が普段支持している政党別にみてみるとどうでしょうか。

まずは自民党と公明党の支持層です。堂故さんが5割を押さえています。

また4割は投票先をまだ決めていないとしています。

今回、候補者の擁立を見送った最大野党、立憲民主党の支持層は、庭田さん支持が3割と最も多くなっています。

国民民主党は庭田さんが6割強を固めています。

共産党は坂本さんが7割を、参政党は田保さんが8割を固めています。

そして、支持する政党はないと答えた無党派層は、最も浸透しているのが庭田さん、次いで堂故さん、田保さんの順で、7割弱が「まだ決めていない」としています。

支持層の年代構成

続いて、支持層の年代構成に着目します。

堂故さんを支持する人の、半数以上は60代以上で、高齢者を中心に支持を集めていることが窺えます。

これに対し、庭田さん、坂本さん、田保さんは50代以下の現役世代の支持が多いことが分かります。

今回の争点は?

ここまでは各候補者の支持状況を見てきましたが、今回の参院選の争点は、何になりますか。

去年秋の衆院選で、自民党は歴史的大敗を喫し、少数与党となりました。

そうした中で迎える参院選は、事実上の政権選択選挙とも言え、非改選を含めて自民・公明が過半数を割れば、いよいよ政権交代が現実味を帯びてきます。

そこで調査では、投票する上で重視する政策についても聞きました。

最も多く回答されたのが、「物価高・賃上げ・経済対策」で、次いで「年金・医療・介護」、そして「政治とカネ」の順でした。

このうち、物価高・賃上げ・経済対策を選んだ人の投票先は、堂故さんが2割で最も多く、次いで庭田さんとなっています。

物価高と言えば、コメの価格、備蓄米の放出を巡る対応も争点の一つですよね。

コメの価格高騰を受けた備蓄米放出への評価についても聞いています。

「大いに評価する」または「ある程度評価する」と答えた人は66%。

「あまり評価しない」または「まったく評価しない」と答えた人は33%でした。

このうち、「評価する」と答えた人の投票先をみてみると、自民の堂故さんが最も多かったのに対し、「評価しない」と答えた人の投票先は、最も多いのが庭田さん、次いで田保さんとなり、はっきりとわかれました。

私たちの暮らしに直結する物価高が争点となれば、投票率も注目されます。

投票に行くか聞くと…

調査では、投票に行くか聞いていますが、「必ず行く」または「たぶん行く」と答えた人は8割に上りました。

一方で、全体の半数が、まだ投票先を決めていないと答えており、情勢は流動的です。

参院選富山選挙区はこのほか、NHK党が埼玉県在住の佐藤明さんを擁立すると発表しているほか、氏名非公表の1人が立候補を検討しています。

富山テレビ
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