7月20日に投開票が行われる参議院選挙が3日後に公示されます。
今回、フジテレビの報道・情報番組、FNN系列では参院選の投票日よりも前に選挙に関する情報をしっかりとお伝えしていきます。
この参院選を詳しくお伝えする企画タイトルが「もっと投票の前に」ということで、大切な選挙についてもっと知りたいということをもっと深く、そしてもっと正しく皆さまの大切な1票を投じるにあたって役に立つ報道、情報を意識してお伝えしてまいります。
早速、30日のテーマをお伝えします。
木村拓也キャスター:
もっと投票の前に何をしていただこうかなと思いまして、初回の30日は、今回の参院選でやはり、大きな争点となっているものの1つ“物価高対策”。その鍵を握る「消費税」について見ていきたいと思います。世の中で給付金か消費税減税かなんて言われていますけれども、各党の主張を見ていきたいと思います。
政権与党の自民党・公明党は1人2万円の給付、子供や非課税世帯の低所得の方々にはプラス2万円というのもあります。
立憲民主党は食料品の消費税ゼロ、原則1年間。プラス減税までは1人2万円給付と両方になります。
日本維新の会は食料品の消費税ゼロ、これは2年間。
国民民主党は消費税5%を時限的に行っていくということです。
れいわ新選組は消費税廃止、そして1人10万円の給付。
共産党は消費税廃止を目指して5%に減税をしますと。
参政党は段階的に消費税廃止。
日本保守党、社民党は食料品の消費税ゼロというのを掲げているわけです。
消費税は実はさかのぼっていきますと、これまでの参院選の歴史に大きく関わってきた過去があるんですね。
29日の石破首相の最新の発言にも注目しながらご覧ください。
いよいよ3日後に公示される参議院選挙。
石破茂首相:
給付金いろんな考えがあるかと思います。物価上昇を上回る賃金上昇、それを何としても実現しなきゃいけない。
立憲民主党・野田佳彦代表:
食料品は消費税率が8%かかってるが、これを臨時時限にゼロ%にしていこう。
自民党が掲げる給付金、そして野党が掲げる消費税の減税が大きな争点となるとみられます。
そして、その消費税はこれまで参院選を大きく左右してきました。
消費税が導入された直後の1989年の参院選では、土井たか子委員長率いる社会党が消費税廃止を掲げ、マドンナ旋風で大躍進。
惨敗した自民党の宇野首相は辞任しました。
1998年の参院選では、前の年に消費税率の3%から5%への引き上げを実行した橋本首相が、その後の減税を巡る発言の混乱もあって大敗し、退陣。
そして、消費税を巡る荒波は自民党以外にも。
民主党政権時代の菅首相は「消費税については、参議院の選挙が終わった中で本格的な議論をスタートさせたいと思っています。自民党から提案をされている消費税率10%ということも1つの大きな参考にしていきたい」と参院選の直前に消費税の10%への引き上げに言及。
楽勝ムードから一気に逆風となり敗北して、ねじれ国会に突入。
民主党政権が短期間で崩壊するきっかけになりました。
そして6年前の参院選。
安倍政権のもとで、消費税率が3カ月後に10%に引き上げられる予定の中、野党は増税凍結を掲げましたが、有権者にはいま一つ響かず与党が勝利。
消費税10%は、予定どおり実施されました。
そして今回、方法はバラバラですが、野党各党が消費税の減税を掲げる中、与党は消費税の減税を否定して給付金などによる物価高対策を打ち出しています。
ただ、世論調査では消費税の減税への期待も高い中、28日に石破首相は…。
石破茂首相:
消費税を減税した時に食料品を減税した時に、お金持ちほどたくさん消費するから、そういう方ほど減税額が大きい。本当にそれでいいんだろうか。
石破首相が指摘した消費税の減税は、お金持ちほど恩恵が大きいという発言。
街の人はどう感じているのでしょうか。
50代:
納得できると言うより仕方がない。なかなか皆が納得できる状態で難しいと思う。
20代:
むしろ消費税ってみんなにとって平等に払わなきゃいけないから平等かなと思ったけど、安易でしたかね?
40代:
所得高い人もつらいんじゃないですか、だからそこを差別するのかな。
青井実キャスター:
街の皆さんの声、みんな平等だったりという話がありましたね。
石破さんはその中での発言を見ると、消費減税だと高所得者ほど得があるということで主張していたわけですが。
木村拓也キャスター:
もう少し詳しく解説していきます。ものの見方とかも含めて見ていきたいと思いますが、まず消費税10%、5%で比較します。高所得、低所得と分けていますが、純粋に使える額の大きさで見ていきたいと思います。
例えば10万円支払った場合、消費税10%なので1万円の税金になります。これが5%になると10万円払っても5000円の税金ということで減税効果としては5000円です。使えるお金2万円使ったとしたら10分の1で2000円が税金ですと。これが5%になると2万円使ったら1000円になります。1000円お得ですということで、この消費税の減税で言うと使っている金額が大きい人ほどお得になりますよという点がありますと。これは分かりますよね。石破首相は、これに関して言っているということになります。
一方で給付金、自民党が掲げているところですが、全ての国民に対して2万円、これは金額を一律にしますと。税率とはまた別の話になりますね。プラスで、非課税世帯・所得が低い世帯であったりとか18歳以下の人に対しては4万円ですから、より所得が低い方々、子育て世帯の皆さんに恩恵が大きいんですよということにしているわけです。
もっと踏み込んだお金の話を。
高所得者に対して恩恵が大きい順番という指摘がありますね。左側から右側に、恩恵が大きい小さいとなっていきますが、給付金で言うと2万円の額の1つの基準となっているのが1年間の平均の食品に対しての消費税の額ということですから、所得が高くてそれよりも平均よりも使っていればもちろんこっちのほうが恩恵が大きいわけですね。それよりも端の所得税の定率減税というところは、所得という高い金額に対して税率がかかっているわけですので高所得の方ほどもちろん恩恵が大きいわけです。例えば課税所得が700万円だった場合、税額が大体100万円ぐらいなんですね。低率の減税が20%だとすると、減税額20万円ぐらいなんですよ。ですので恩恵が大きいと考えられます。
インターネット上では「消費税は低収入の人のほうが負担が大きい制度である。消費税減税で、お金持ちだけが得することはないと思う」と苦言を呈するような声もあるんです。
確かに使えるお金に対して消費税、生活費とか大きいと、確かに恩恵の部分が大きいのかなという指摘ですね。
青井実キャスター:
岩田さん、消費税減税と給付金、自民党内でも様々あるんですか。
SPキャスター・岩田明子さん:
依然としてバラマキ批判というのは党内ではありますね。税収上振れ分を財源にしているという話なんですが、ではなぜ、それであるならば減税の議論がないんだという話もありますので長期ビジョン、それから経済成長をどうするのかということも併せて説明があると分かりやすいと思うんですよね。
青井実キャスター:
投票する際にいろいろ見ていく必要がありますし、消費税減税を巡る発言の1つが今後、流れを大きく変える可能性もありますから。今後の論戦、注意深く見ていく必要があると思います。