秋田県発注の道路補修工事をめぐる贈収賄事件で現金を受け取った県職員と、便宜を受けた業者の社長と社員の初公判が27日開かれ、3人はいずれも起訴内容を認めました。
起訴されているのは、収賄の罪で県建設部建設政策課の主幹・齊藤一人被告(56)、贈賄の罪で青森県の工事業者・大成産業の元社長・長谷川武哉被告(81)、同じく社員の御所野富雄被告(77)です。
齊藤被告は秋田地域振興局建設部で班長をしていた2022年、県発注の道路補修工事で、防腐性能のある転落防止柵の仕様を金属製から木製に変更させ、大成産業が下請けとして受注できるよう便宜を図りました。
さらに別の工事でも大成産業が再委託されるようにあっせんし、一連の見返りとして2023年5月に秋田市のファミリーレストランで長谷川・御所野の両被告から現金200万円を受けとった罪に問われています。
27日の初公判で、3人はいずれも起訴内容について「間違いありません」と認めました。
続く冒頭陳述で検察は、「防腐性能がある木製の転落防止柵を扱うのは県内で2社だけで、秋田地域振興局の管内では大成産業が自動的に選ばれる結果になっていた。被告は200万円をスナックのホステスとの同伴やプレゼントなどに使った」と指摘しました。
検察は7月下旬までに齊藤被告と御所野被告を追起訴する方針です。
次回公判は8月15日で、被告人質問などが予定されています。