福岡市東区の海で26日、男子児童2人が溺れ、1人が死亡した事故です。

福岡市教育委員会は各学校に子どもだけで川や海に行かないよう注意喚起する通知を出しました。

福岡市東区三苫に広がる海岸線。

26日夕方、この海で小学6年生の男子児童2人が溺れました。

2人はまもなく救助され病院に運ばれましたが、このうち1人が死亡しました。

当時、2人は他の友人4人と一緒に海岸を訪れ、遊んでいたといいます。

児童の1人は海上保安部に対して…。

◆児童の1人
「足が届かない深い場所があり、注意を呼びかけみんなで岸に戻ろうとしたが2人が溺れた」

2人が溺れた海岸を知る地元の人は…。

◆地元の人
「途中から突然ストンと深くなっているところがある。離岸流が発生しやすいので、よく前にも離岸流で沖に流されたというのはある」

今回、2人が溺れた原因はまだ分かっておらず、海上保安部などが当時の状況などについて詳しく調べています。

地元の人もこの海でたびたび発生していると話す離岸流。

巻き込まれると短い時間で沖合まで流され溺れる危険性が高まります。

その離岸流を撮影した映像では、砂浜のそばの2カ所に着色剤を投入すると徐々に沖に流れていくのが分かります。

着色された水はわずか4分ほどで沖合50メートルほどの位置に到達しました。

そして、離岸流で流される人に取り付けたカメラの映像では、波はそれほど高くありませんが、徐々に沖に流されているのがわかります。

この離岸流について、専門家は波があるところであればどこでも発生するおそれがあると指摘します。

◆長岡技術科学大学 犬飼直之 准教授
「何もない砂浜海岸でも離岸流は発生します。これがもっとも一般的な離岸流。離岸流の発生する場所というのはなかなか見つけるのが大変で、構造物の横とかそういうものは基本的には危ない」

梅雨明けし、水に親しむ機会も増えるこの時期。

福岡市教育委員会は26日の事故を受け、市内の小中学校に「子供だけで川や海には絶対に行かない」ことなどを呼びかける通知を出したということです。

ここ数年、福岡では夏場に10代の水難事故が目立っています。

2023年7月には福岡市早良区百道浜で男子高校生が体育祭終わりに友人と海に立ち寄って、防波堤の近くで遊んでいたところ、溺れて死亡しました。

その数日後には、宮若市の川で小学6年の女の子3人が溺れて亡くなりました。

3人が見つかったのは水深約3メートルの川底だったということです。

水の事故の危険性をしっかりと伝える必要がありそうです。

テレビ西日本
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