ハンディーファンやモバイルバッテリーに使われるリチウムイオン電池は、夏場に熱や衝撃で火災や爆発のリスクが高まり、実際に事故は年々増加している。正しい使い方と処分方法が重要で、廃棄の際はリサイクルマークがある製品は協力店へ、ない場合は自治体の指示に従う必要があるという。

リチウムイオン電池の事故が増加傾向

ハンディーファンやモバイルバッテリーなどには、リチウムイオン電池が広く使われている。

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コンパクトで充電でき、何度も使えて便利な一方、トラブルが相次いでいる。26日のテーマは「火災や爆発多発 小型電化製品どう捨てる?ソレってどうなの」だ。

26日の東京都心は真夏日を観測した。街の皆さんの手には、ハンディーファンが握られていた。

街の人:
暑いから。信号待ちの時とかしてません?夏になったら欠かせないものです。

街の人:
ハンディーファンは絶対使う。子どもがうどんを食べるときの食事を冷やす用と、自分たちが涼む用で持ち歩いている。暑いのと熱中症対策で持っておこうと。

その充電に欠かせないのがモバイルバッテリーだ。リチウムイオン電池が使われていることが多いが、暑くなるこれからの時期、火災などの事故が急増するという。

モバイルバッテリーを高温の車内に放置した時の再現映像では、モバイルバッテリーが大きく膨み、白い煙を吹き出すと、その後、炎に包まれてしまった。また、地面に落とすなどしてハンディーファンのバッテリーが損傷すると爆発した。

この映像を街で見てもらった。

街の人:
これ(膨らんでいる物)の寸前みたいなのが家にある。怖いですね。もう開いているのが(家に)ある。何年も前から。多分暑かったのか置いてあるところが。まさか燃えるとは思っていなかった。めっちゃ怖い。

街の人:
危ない、家だったら大変になる。家にいない時や車の中だったら、爆発したりすると思うのでちょっと怖い。

NITE=製品評価技術基盤機構は、リチウムイオン電池が使われる製品の事故のピークは6月から8月の気温が上昇する時期だとして、注意を呼びかけた。

NITEの説明:
リチウムイオンバッテリーは、とてもデリケートな製品。熱と衝撃に弱い。この夏場、暑いところに放置しない。直射日光が当たるようなところに放置しない。リチウムイオン電池が熱くならないように、コントロールして安全に使ってもらえれば。

事故は2024年までの5年間で1860件発生し、年々増加傾向にある。

茨城・守谷市のごみ処理施設では2024年12月に、リチウムイオン電池が発火したとみられる大規模な火災が発生した。現在も復旧しておらず、民間業者に不燃ごみの処理を委託する状況が続いているという。

お笑い芸人とごみ清掃員の二足のわらじを続ける、マシンガンズの滝沢さんも「リチウムイオン電池が原因だったようです」と、SNSに燃えたごみの画像や、ごみ袋から煙が上がる様子を投稿している。

その一方、街の皆さんからはこんな戸惑いも聞かれた。

街の人:
捨てたことないかも。壊れても家にある。

街の人:
どうやって捨てるの?

街の人:
どうやって捨てるんだろ…

街の人:
危ないもんね。分からない。

街の人:
捨てたことないから分からない。

街の人:
不燃物か家電?

取材班:
ちゃんとは分かっていない?

街の人:
分かってないです。

自治体の指示に従うなど捨て方に要注意

青井実キャスター:
金子さん、捨て方わかりますか?

SPキャスター金子恵美さん:
リチウムイオン電池を使った製品が最近多いので、調べたんです。オフィス用と家庭用とがあって、適正廃棄の仕方を調べたので分かるんですけど、今リサイクルに出しました。

青井キャスター:
調べないと分からなかったんですよね。リチウムイオン電池が使われている製品を捨てるには、どうすればいいのでしょうか。NITEの安元さん、教えて下さい。

NITE製品安全センター・安元隆博さん:
製品にリサイクルマークがあるかどうかを確認する。リサイクルマークがついていれば、協力店に持って行き回収してもらう。マークがついていない場合、住んでいる自治体の案内を確認し「有害ゴミで捨てる」などの指示があるので、自治体の指示に従うのが大事。電池が取り出せるもの(製品)と電池が取り出せないもので処分の方法の案内が変わるので、電池が内蔵されていて取り出せないものは、無理に取り出そうとせず、その製品のまま指示に従って捨てていただきたい。

コンパクトで充電すれば何度も使える、ハンディーファンやモバイルバッテリーだが、これからの季節、特に注意が必要だ。
(「イット!」6月26日放送より)

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