約1億年前の後期白亜紀、アフリカ大陸に生息していた大型の肉食恐竜スピノサウルス。全長14メートルにも及ぶその全身骨格が、日本で初公開されることになった。
第二次世界大戦で化石標本が消失していた
世界三大恐竜博物館の一つ、福井県勝山市にある県立恐竜博物館に6月24日、報道陣が集まった。カメラが囲んでいたのは、大型の肉食恐竜スピノサウルスの全身骨格だ。
細長い頭部には鋭い歯がびっしり。背中には帆のような突起があり、尾は幅が広く長くてワニのようだ。
スピノサウルスは、ドイツに保管されていた化石標本が第二次世界大戦で焼失し、長い間その全体像が明らかになっていなかった。しかし近年、新たな化石が発見されたことにより、尾が上下に幅広い「ひれ」のような形状をし、陸と水中を行き来して生活していた可能性が高いことが分かった。

ドイツの企業から借り受け日本初公開
今回、展示される全身骨格は、最新の研究に基づき3Dプリンターで作られたもの。県立恐竜博物館の開館25周年を記念した7月からの特別展の目玉として、ドイツの企業から借り受けて展示が実現。日本初公開となる。

泳いでいるような姿で展示
さらに今回は、この全長14メートルの全身骨格を宙づりで展示するという。
研究員は展示の狙いをこう説明する。「泳いでいた可能性がある事を最大限感じてもらうために、宙づりにして展示する。普段と異なるアングルから恐竜を見ることはもちろん、こういうスタイルでこういう動きをしていた恐竜もいたんだ、と思いを馳せてもらいたい」
天井近くまで吊り上げられたスピノサウルスの骨格。下から見上げると、よりその大きさや構造が良く分かり、海の中を泳ぐ姿も想像しやすくなる。

スピノサウルスの全身骨格は、7月11日から11月3日まで、福井県立恐竜博物館の特別展で公開される。
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