近年、全国的に問題となったいわゆる「ブラック校則」。
大分県内の学校でも見直しが進められてきたが、いまの校則はどうなっているのか。
各高校の校則を調べてみると、まだまだ気になるものがあった。詳しく紹介する。

高校の校則「ツーブロック禁止」「SNSの利用に際しては事務連絡のみ」
県教委によると、2024年度、校則について生徒と話し合いの機会を設けた県立高校は全日制39校中33校。また22校が1つ以上の校則を見直した。
そこで、2025年度の校則はどうなってるのか、各高校の校則を調べた。
ある高校では、最近の暑さに考慮して「ハンディファンの使用は授業中以外は原則使用を認める」とあった。また「アームカバーに関しても使用を認める」といったものも。
一方で、髪型については「ツーブロック禁止」。そして、SNSの利用に際しては「事務連絡のみの利用」などといった校則があった。

高校生からも疑問の声「柔軟に対応している校則になったら」
こうした気になる校則。街の高校生たちからも、疑問の声が聞かれた。
高校1年生の生徒は、『膝掛け禁止』に対して「人によって寒さの感じ方は違うので、 そういったところは柔軟に対応している校則になったら」と話した。
さらに高校3年生の生徒は『ソックス丈の長さ指定』に対して「学校のためだけにそういう16~26センチのものを買って履くのはどうかなと思う」と意見を述べた。
また『眉毛の加工禁止』に疑問を持つ高校3年生の生徒は次のように話す。
「全部そり落とすのはだめだと思うけど、少し整えるくらいならきれいに見えていいと思う」

「地毛申請」に高校側の見解は
また髪の色が黒以外やくせ毛の生徒が、生まれつきの地毛であることを学校側に届け出る「地毛申請」にも疑問の声が。
ーー高校2年生
「そこまで固くしなくてもいいんじゃないかと思う」
TOSが調べたところ、校則に「地毛申請」を明記している県立高校は全日制39校中6校で確認できた。
高校側に見解を聞いてみると…
ーー地毛申請のある県立高校の見解
「地毛の生徒を正確に認識するために必要です。見直しの声も上がっていません」
一方、この「地毛申請」、沖縄県教育委員会では生徒の人権への配慮のため、4年前に県立高校に廃止するよう通知したという。

「何のためにある校則なのか」を学校内で議論を
まだまだ生徒や世間とのギャップもある県内の高校の校則。
どう見直しを進めていくべきか。
「スクールロイヤー」としても活動する熊谷洋佑弁護士は「何のためにある校則なのか」をまずは学校内で議論することが大事だと話す。
ーー県弁護士会 法教育委員会 熊谷洋佑弁護士
「伝統だから昔からそうだったということではなく、生徒たちに説明をしたうえで、生徒たちがそ意見があるのであれば、あるいは納得できない部分があるのであれば、意見交換ができる環境を作っていくことが法教育的な観点だと望ましい」
見直しが進められている校則だが、もし、おかしいと感じるものがあれば、議論して、学校側に意見を伝えてみてはいかがでしょう。
