iPhoneでマイナカードの機能が利用可能になり、コンビニで住民票などの証明書の取得が可能になった。生体認証を使った利便性でAndroid版に続き、サービスが拡大する。
iPhone版では、氏名・住所・生年月日など属性証明機能も搭載され、行政サービスや医療などのデジタル化がさらに進展する見込みだ。
iPhone対応でマイナカード機能が拡大
24日から、iPhoneでも、マイナンバーカードの機能が使えるようになった。

都内のコンビニを訪れた平 将明デジタル相が向かったのは、マルチコピー機だ。

平 将明デジタル相:
証明書の交付。マイナンバーカード、住基カード、Android、iPhone。

画面の案内に従い、iPhoneをタッチすると、住民票の写しが発行された。

24日から、iPhoneにマイナンバーカードの機能の搭載が可能になり、住民票の写しなど証明書をコンビニで取得できるようになった。

平 将明デジタル相:
使い慣れたスマホの顔認証で、ロックが外れることは非常に使いやすい。みなさんスマホを持っている環境の中で、iPhoneを持たれている方は非常に多い。そういった方に、利便性を実感していただけるのでは。

マイナンバーカードを持ち歩かなくても、生体認証でコンビニ交付サービスを利用できるほか、政府のオンラインサイト「マイナポータル」にログインできるようになる。

医療費や年金の確認のほか、引っ越しなどのオンライン申請ができるようになる。

「マイナ保険証」としての利用は、9月ごろから順次運用を開始する予定だ。
iPhoneで氏名や住所を証明できる新機能が追加
「Live News α」では、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:
iPhoneでのマイナカード利用、長内さんはどうご覧になりますか?
早稲田大学ビジネススクール・長内厚教授:
すでにAndroidスマートフォンでのマイナンバーカード機能は実装されていましたが、日本のスマートフォン市場で約6割のシェアを持つiPhoneで、マイナンバーカード機能が使えるようになると、ますます便利になると思われます。

堤キャスター:
特に行政サービスを受ける際に、便利になるようですね?
早稲田大学ビジネススクール・長内厚教授:
私は、普段Androidスマートフォンを利用しているんですが、役所がやっていない時間でもコンビニの複合機で、マイナンバーカードの代わりに、スマートフォンで個人認証をして、戸籍謄本や住民票を取得することができるのは、地味に便利でした。
さらにマイナンバーカードといえば、マイナ保険証としての利用が増えてきましたが、これからAppleは、病院や薬局でのマイナ保険証についても、iPhoneでの対応を可能にする予定ということです。
今後は、「スマホさえあれば、公的な証明書などは大丈夫」という状態になるのかもしれません。
堤キャスター:
これから、スマートフォンでできることが、ますます広がっていくのでしょうか?
早稲田大学ビジネススクール・長内厚教授:
マイナンバーカードの電子証明書機能は、Androidが先行するかたちで始まり、今回、iPhoneでも対応するようになりました。
もう一つ、新たにiPhoneには、属性証明機能というのが搭載され、氏名・住所・生年月日などの、マイナンバーカードの券面記載情報がスマートフォンでも証明できるようになりました。
この機能は、将来的にはAndroidにも搭載されるようです。
スマホに集まる個人情報への対策と意識が重要
堤キャスター:
便利になる一方で、セキュリティーに関しては、しっかりとした対応が求められますよね?

早稲田大学ビジネススクール・長内厚教授:
さまざまな個人情報がスマートフォンの中に入るので、不正利用などがないように、その辺りもデジタル庁は、しっかり対策を取っていくことが求められそうです。
それと同時に、個人でもセキュリティーへの対応が求められます。例えば、自分のスマートフォンをどこかに置き忘れた場合は、アプリでどこにあるのか探したり、デバイスのロックや、さらにはリモートで消去することもできます。
デジタルの便利さの裏側には、リスクもあることも理解して対応していくことが重要です。
(「Live News α」6月24日放送分より)