岐阜県を中心に6月23日から大雨が続いた影響で、高山市では一時、断水の恐れがあると発表しました。大雨が断水の原因となる背景について調べました。

■「濁度」が1000度を超え断水も検討した高山市

6月24日、岐阜県高山市内の小学校では、児童らが給食ではなく、家から持参した弁当を食べていました。

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23日からの大雨の被害で給食センターが稼動しない可能性があったことから、急遽弁当に切り替わったためです。

岐阜県を中心に降り続いた大雨で、高山市丹生川では、24日午前3時10分までの24時間で205ミリと、観測史上最も多い降水量を観測しました。

高山市では、23日夜に上水道の水源となる川の濁りが強まった影響で、最大1万5000戸に断水の恐れがあるとして、市民に節水を呼びかけていました。

高山管設備グループの村田久之専務:
断水は過去にはありません。豪雨によって非常に黄濁になりました。1000度を超えるような濁度が発生いたしました。1000度を超えるような原水は、まずポンプが対応していない。

23日、大雨の影響で川の濁り具合を示す「濁度」が、通常より大幅に高い1000度を超えたといいます。夜になり濁りが落ち着き、断水は回避されました。

大雨の影響による断水は、過去にもあります。

2018年に岐阜県内で降った大雨では、美濃加茂市で水道の水源とする飛騨川の水に土砂が大量に混ざり、浄水場の稼動が停止。およそ1万1000世帯で断水しました。

■なぜ大雨の影響で断水が起こる?

名古屋市千種区の「鍋屋上野浄水場」では、薬品を使って土砂など濁りの成分を固めて取り除いていますが、濁りの度合が高すぎると設備の処理能力が追いつかなくなるため、取水を停止し断水につながるといいます。

名古屋市上下水道局の水野芳之さん:
薬品は自動的に注入を行っています。(薬品の処理後は)濁度としては0.12度程度に下がっています。

鍋屋上野浄水場では各工程の水質をチェックしていて、濁度が高くなると、機械が自動的に加えた薬品の量が適切かを確認するテストの頻度も増やしています。

名古屋市上下水道局の水野芳之さん:
(木曽川の)表流水は、豪雨などで濁りが高くなることが想定されていますので、名古屋は高い濁度でも処理できるような設備を整えています。

今回の大雨で断水の危機となった高山市は、今後に備えて設備の機能を上げることは、費用の面などから難しいといいます。

高山管設備グループの村田久之専務:
今般の豪雨というか、雨の降り方が変わってきまして、施設の建設当時から見ると濁りが出やすい気象条件になっております。自然とどこまで闘って水を作っていけるかになりますので、その時のベストな判断をつなげていくことしかできない。

(東海テレビ)

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