恐竜たちはこんな香りに包まれていたのか…そんな想像を掻き立てる芳香剤が誕生した。福井県と連携協定を結ぶ芳香剤メーカーのエステーが、恐竜時代の3種類の香りを再現。7月以降、関西万博の福井ゾーンや福井県立恐竜博物館でその香りを体験することができる。
恐竜が生きた時代の香りを“再現”
福井県庁で6月20日、福井県知事と芳香剤メーカー・エステーの上月洋社長が出席して“恐竜時代のかおり”の発表会が行われた。その席で上月洋社長は「誰も嗅いだことのない未体験の香りを作ろうと、決して家庭用ではつくらない香りができた」と胸を張った。

恐竜が生きた“太古の空気”を再現しようと開発されたのは、大地の香りの『Dinosaur Earth』、森の息吹を閉じ込めた『Forest World』、空をテーマにした 『Thrilling Sky』の3種類。

福井テレビの田島嘉晃アナウンサーが『Forest World』の香りをかいでみた。「やわらかい森林の香りかと思ったのです、結構スパイシーで鼻に抜ける薬草感がありますね。野生味のある香りです」

エステー×福井県で香りの演出
エステーと福井県は包括連携協定を結んでいて、2024年10月の「全国育樹祭」では、県産ヒノキの香りで来場者をもてなした。
恐竜時代の香りの再現にあたっては県立恐竜博物館が協力し、半年かけてイメージをすり合わせたという。寺田和雄副館長は「恐竜博物館のジオラマや映像を見ながら、こんな感じの林があった、とエステー側に伝えながら作ってきた」という。
エステーの上月社長は、再現の難しさを口にした。「我々は言葉から香りをつくる技術を持っていて、みなさんのイメージが香りに直結するよう作っているが、今回は創造力が重要だった」

今回発表された3種類の香りのうち2種類は、7月から万博会場の福井ゾーンで、もう1種類は7月以降に県立恐竜博物館で香りの空間演出に使われる。
エステーによると、香りは五感の中でも記憶に残りやすい感覚だという。今後は県内の旅館や公共交通機関で、恐竜コンテンツの世界観づくりに香りで貢献していきたいとしている。

福井駅周辺には雄たけびを上げる恐竜モニュメントがあるが、これからは香りでも恐竜時代を楽しむことができそうだ。