夏の訪れとともに旬を迎えるのが「ウニ」。
北海道・積丹町ではこれから漁の最盛期に入ろうとしているが、2024年は一杯「1万円」という時期もあったウニ丼。
2025年はいくらくらいで食べられるのだろうか。
「積丹半島にやってきました。北国とは思えない、どこまでも続く青い海」(八木隆太郎フィールドキャスター)

青く透き通った「積丹ブルー」の海で育った名物といえばムラサキウニだ。
6月1日から始まったウニ漁は間もなく最盛期を迎える。
積丹のウニは雑味が少なく、クリーミーで濃厚な甘みが特徴だ。

町の人気店「田村岩太郎商店」で味わう。
「いやあ、黄金色に輝いていますね。このために夏まで仕事がんばってきたんだなっていう最高の贅沢」(八木フィールドキャスター)

このウニを求めて夏は北海道内外から観光客が押し寄せるが―
「ウニもできれば食べたいと思ったけれどあまりの値段にドン引きしました」(観光客)
「年に1回来てくれてたお客さんがちょっと今年は止めとこうかなって」(田村岩太郎商店 下澗武士店長)

名物のウニ丼を食べたいものの、高くて「ドン引き」してしまったという観光客。
この店で13年前に開業したときから人気の「朝うにぶっかけ丼」。
通常の倍以上、200から300グラムのウニを豪快にご飯の上にかける丼で、一杯3000円で提供していた時も。
しかしここ数年、海水温の上昇などでウニの個体数や実入りが減っていた。
さらに―

「ウニ漁に出られる回数が減ってるんですよ。積丹のウニ漁って6月1日から解禁して8月31日まで。3か月って言いますけど、ちょっとでも波があると出られない。しけが多くなった」(下澗店長)
漁に出られるのは多くても年に40日ほどだ。

2024年はしけの影響でその半分ほどしか漁に出ることができず、ウニ丼は高いときで一杯1万円まで値段が跳ね上がった。
2025年は天候が安定し、ウニの生育状態も良いため、6月18日は一杯6500円だった。
「他のところで食べるウニと全然違う。これって美国で食べられる期間限定じゃないですか。来れるときに来ないと」(札幌市から来た客)

「びっくりしました本当に。全然味違うから。甘くて」(東京から来た客)
「甘くてスイーツみたいにとろける。おいしいですね、こっちで食べると。確かに(値段は)高いんですけれど、あっちで食べるよりは高くてもこの価値はある」(名古屋から来た客)
店ではもっとお得に積丹の味覚を味わってもらおうと、メニューの開発も進めていた。

「お待たせしました。活タコです」(下澗店長)
「タコ!?」(八木フィールドキャスター)
「活タコです」(下澗店長)
岩太郎商店の新名物「活たこうに丼」。
朝締めのタコの新鮮な食感。
さらにその上にウニをのせている。
値段はウニ丼の半額に近い3800円だ。

「タコとウニ、あいますね!積丹の青い海が広がっているよう」(八木フィールドキャスター)
7月上旬まで味わえるタコとウニの共演。
ウニの価格高騰が続く中、味とのバランスを探りながら地元では旬の味を守ろうとしていた。
「(ウニの価格を)下げようと思ったら、他の(地域のウニを)混ぜたら下げられる。やっぱり積丹のおいしいウニってことでなるべく頑張りたいと思ってます。7月、8月とどんどん甘くなるんですよ。果物が熟すみたいに。味もこれからウニがもっと本気出してきます。まだまだ甘くなります」(下澗店長)
いただけるのは8月末ごろまでだ。
