タケノコやフキなど、山菜採りのピークを迎えているが、2025年も遭難する人が後を絶たない。

特に、2025年は6月に入ってからの遭難者が多くなっている。

警察による捜索から救助までの様子

6月8日「山菜採りに行った仲間の一人が戻らない」と通報が。

これは、北海道警察の航空隊が撮影した、捜索から救助までの記録だ。

北海道石狩市浜益区の山をヘリコプターから捜索すると―

やぶの中にいる遭難者を発見。

ヘリコプターから遭難者を発見
ヘリコプターから遭難者を発見
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隊員が地上に降り立つと、そこは、視界を遮るほどの背の高いやぶが生い茂っていた。

やぶをかき分け、遭難者のもとへ―

やぶをかき分け、遭難者のもとへ
やぶをかき分け、遭難者のもとへ

「接触しました。ちょっと時間ください」(救助隊員)

救助されたのは75歳の女性。

「けがは無いですか。大丈夫?」(救助隊員)

女性は仲間の通報から約2時間後に救助された。

女性はタケノコをとるため仲間とは別々に行動していて、「道に迷い遭難した」と話しているということだ。

女性を救助
女性を救助

「捜索隊が背丈よりもはるかに高い竹藪の中へ入っていきます」(丸山俊介カメラマン)

山菜採りによる遭難は、美深町でも―

6月15日、タケノコを採りに山に入った82歳の男性が遭難。

16日未明から、警察ら50人体制でやぶの中を探したほか、ドローンも使って捜索が行われた。

捜索から7時間後、男性は救助された。男性は友人と山菜採りにきたものの、分かれて行動していて、戻る道が分からなくなったという事だ。

警察らが捜索に
警察らが捜索に

なぜ、山菜採りで遭難?

2020年からのここ5年間の山菜採りによる遭難は、年々減少傾向にある。

しかし2025年はすでに43人が遭難していて、特に6月は18日までで18人と多く、2024年の6月を6人も上回っている。

山菜採りによる遭難人数
山菜採りによる遭難人数

なぜ、山菜採りで遭難してしまうのか―

「林道なり登山道から中に入ってしまって、自分の位置が分からなくなって遭難してしまうことが多い」(北海道警察本部 地域企画課 鍋谷圭介さん)

山菜採りの際に気を付けることは―

「山に入るということ自体が危険を伴う行為だということを理解してほしい。時間を自分で見て、(事前に決めた)戻らないといけない時間になったら引き返す、ということをしっかりやってくれたら」(鍋谷課長補佐)

北海道警察は、山に入る危険を自覚して単独で行動しないなど、慎重な行動をしてほしいと呼び掛けている。

北海道警察本部 地域企画課 鍋谷圭介さん
北海道警察本部 地域企画課 鍋谷圭介さん

山菜採りなどアウトドアで気をつけたいポイント

北海道警の担当者に聞いた、山菜採りで気をつけたいポイントは3つ。

このポイントは、山菜採りだけでなく、川釣りやハイキングなど、アウトドア全般にも当てはまる。

・1つ目 一人で行動しない
グループなど仲間で山に入ろうと一緒に行っても、現地で別行動をとる方がいるが、山では単独行動は避けて、複数人で行動する方が遭難しにくくなる。
また、遭難した場合でも、2人以上いると連携しやすく救助されやすくなる。

・2つ目 持ち物を確認
携帯電話を車において行ったりと、持っていかない人がいるが、救助を呼んだり、位置情報をキャッチできる事にもなるので、持っていくことが望ましい。
ホイッスルもクマよけや、救助されるときに居場所を知らせるので便利だ。
また、時間が分かるように時計も忘れずに持っていくようにしたい。

・3つ目 時間を守る・決める
山に入る時には事前に戻る時間を決めておき、周囲に伝える事が大事だ。
また、熱中して時間を忘れてしまう事もあるので、時間を気にしつつ、戻る時間は守っていくとよいということだ。

山に入るのは、危険を伴うと自覚して、慎重な行動をしてきたい。

アウトドアで気をつけるポイント
アウトドアで気をつけるポイント
北海道文化放送
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