厳しい暑さの現場を守る!企業の熱中症対策が義務化

連日の厳しい暑さの中、作業員の腕に装着された小さな装置が熱中症の危険を察知して警報を鳴らす。体温を感知し、危険が高まったらアラームが作動するこのセンサーは、建設現場での熱中症対策の最前線に立っている。

今月から企業の熱中症対策が義務化

今月、企業に対して職場での熱中症対策を義務付けた改正労働安全衛生規則が施行された。これにより、熱中症のおそれがある従業員を早期に発見して重篤化を防ぐことが企業に求められている。また、熱中症を発症した場合の初期対応を素早く行えるよう、体制の整備や措置の内容をあらかじめ定めて周知することも義務となった。
現場の知恵を結集した対策

富山県砺波市の建設会社では、直射日光の下での長時間作業に備え、様々な対策を講じている。
「午後0時には29度ぐらいになります。水分、塩分を補給しながら作業を進めるようお願いします」


作業開始前、現場では熱中症対策の呼びかけが行われていた。道路の崖崩落を防ぐ土木工事を控えた作業員たちは、特殊な作業着を身にまとっていた。
「このファンから風を循環させている。中に風が回る分涼しいです。首にも風があたるので。自分の体調を見ながら水分補給、塩分補給はしっかりしないといけない」と改成工業の加藤友昭さんは話す。

現場には休憩用のテントも設けられ、熱中症発症時の対応手順が示されている。連日厳しさを増す暑さに対しては、こまめな水分・塩分補給だけでなく、様々なグッズを取り入れた対策の強化が不可欠となっている。
予防の鍵は作業前の体調チェック

松本建設の小川修世安全環境部長は「体調が悪い人が熱中症になりやすいので、朝の作業員の健康状態をチェックすることが必要だ」と指摘する。夏場でも屋外作業が中心となる土木建設業界では、熱中症のリスクが特に高く、作業前の体調管理が重要視されている。
これからピークを迎える夏の厳しい暑さ。熱中症を防ぐためには、個人の体調管理はもちろん、それぞれが適切な対応を行うための正しい知識を身に付けることが求められている。企業の義務化を機に、熱中症対策への意識がさらに高まることが期待される。