都議選関連の動画再生数が急増し、告示後4日間で約2億1866万回と告示前4日間の1.64倍に達した。再生回数トップは石丸氏率いる「再生の道」で1900万回再生超え、「れいわ新選組」、「国民民主党」が続く。9割以上が切り抜きなど第三者投稿で、誤情報リスクも指摘されている。

告示直前4日間との比較で“動画再生数”約1.64倍に

6月22日に投開票が行われる「東京都議会議員選挙」を巡る現状は、今どうなっているのか。フジテレビ政治部・高田圭太デスクが解説する。

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木村拓也キャスター:
日本最大級の選挙・政治情報サイトの「選挙ドットコム」とコラボして、都議選をSNSデータをもとに分析していきたいと思います。選挙における動画では、各党や候補者の公式動画や一般の人が撮影した動画、公式の動画を加工した切り抜き動画などが投稿・再生されます。

この動画が、2024年の都知事選での石丸氏の躍進や衆院選での国民民主党の躍進の原動力になったとされます。

今回の都議選で、各党の関連動画がどのくらい見られているのか、「選挙ドットコム」の集計で見ていきます。都議選関連の動画は告示直後4日間の合計再生回数が、約2億1866万回に上りました。一方、告示直前4日間の合計が約1億3294万回再生だったので再生数は、比較すると約1.64倍になっています。

青井実キャスター:
告示後だと、注目が集まるということなんですか?

高田圭太政治部デスク:
都議選はそれほど盛り上がっていないという指摘もありますが、告示を機会に露出も増えて、そこで動画をみんな気になっているんだと、更なる盛り上がりも期待されるのではないかと思います。そして、今回9割以上を占めているのが公式ではなく「第三者による投稿」です。

青井キャスター:
第三者の投稿は、誰が投稿しているんですか?見に来た人とかでしょうか?

高田圭太政治部デスク:
いわゆる切り抜き動画です。もちろん応援する意味でやっている人もいれば、再生数稼ぎでやっている人もいるんだと思いますが、そうしたものが、量としてドーンと出てきていますね。

青井キャスター:
ファクトチェックとか、大丈夫なのでしょうか?

高田圭太政治部デスク:
切り抜き動画とか第三者のものですと、例えば全然違うところの音を編集でくっつけたり、いろいろ意味をあえて誤解させるようなものもあったり、よりセンセーショナルな編集をしているものもあるので、できれば公式の方を見て、元はこうなのかとチェックすることも必要かなとは思います。

青井キャスター:
正しく判断していく必要はあるということですよね?

木村キャスター:
告示直後の再生数を政党別に見ると、再生回数トップは石丸氏が率いる再生の道が1961.8万回となっています。次いで、れいわ新選組が928万回、国民民主党が761.9万回となっています。以下、自民党が432.1万回、都民ファーストの会が341.3万回、立憲民主党が254万回、日本維新の会が232.2万回、日本共産党が228.5万回、公明党が137.9万回、生活ネットが40.9万回となっています。

ほぼ全候補者がYouTubeを扱う時代に

宮司愛海キャスター:
国政政党以外にも無所属の方々もたくさん立候補されていると思いますが、SNSの再生数が少ない政党の方や無所属の方は、どういう選挙活動に力を入れているんですか?。

高田圭太政治部デスク:
ネットはもちろん使うんですが、ネットも決して万能ではないので、やはり直接訴えたり、電話や口コミは古典的ですが、やはり力はありますし、握手した数でしか票は出ないという言葉もありますので、ネットに頼らず、そちらも大事ということは忘れてはならないと思っています。

青井キャスター:
再生回数と言っても、1人が何回見ても加わっていくわけですからね。

宮司キャスター:
直接の投票活動に結びつくとも限らないですね。

高田圭太政治部デスク:
そんな中で、2024年の都知事選が17日間で約4億6000万回でしたが、今回は4日間で既に2億回再生になり、都知事選を軽く超えるペースになっています。ほぼ全候補者がYouTubeを扱う時代になってきたと、選挙ドットコムの鈴木編集長も言っています。

木村キャスター:
都議選の告示日の各党首・幹部の演説に集まった人のデータです。演説場所と時間帯にもよるので、一概に単純な比較はできませんが、10代〜40代以下の割合を見ると国民民主党、日本共産党、都民ファーストの会、再生の道、その辺りの来訪者数が多くなっています。

高田圭太政治部デスク:
若い人に人気がある政党が多いように見えますが、高齢の支持者が多い共産党も、第一声の会場となった新宿には共産党本部が近くにあって、共産党は若い人たちが組織化されているので多いのかなとか。

れいわ新選組は若い人に人気があるんですが、第一声の演説は山本太郎さんとかじゃないんですね。そうするとあまり行かないとか、もしかしたらそういうことが関係してるとか、いろんなものが見て取れて、非常に興味深いデータですね。

選挙ドットコムの鈴木邦和編集長は、「現時点で投票先未定の人が多い中で、終盤にかけてさらにネットでも選挙戦が盛り上がる可能性がある」との見方を示している。
(「イット!」6月17日放送より)

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