熊本地震からの復旧工事が続く熊本城で『南東櫓群』と呼ばれる田子櫓(たごやぐら)などの重要文化財が、現在再建のために解体されているが、その櫓の壁土を作る過程で必要な『練り返し』と呼ばれる作業が6月16日に行われた。
復旧に向けて壁土の『練り返し』
工事が行われているのは天守閣から見て南東方向にあり、『南東櫓群』と呼ばれる田子櫓など重要文化財建造物5棟。絵図などから江戸時代初期に建てられたとみられているが、熊本地震で傾くなどして、再建のための解体が行われている。

この再建のための壁土を作る『練り返し』と呼ばれる作業が、6月16日に行われた。『練り返し』とは、粘土質の土に稲わらを混ぜて発酵させ、さらに新たな稲わらを入れてかき混ぜるもので、コンクリート製のプールに入れられた約100立方メートルの土が重機で混ぜられた。

『練り返し』は17日も行われ、同様の作業が2026年6月と12月ごろに行われたあと、壁土は再建工事に使われる予定。

熊本城総合事務所・復旧整備課の坂口瑞枝さんは「壁土の作成は建物の良否を左右する重要な工程。その中でも『練り返し』は良い壁土を作るためにかなり重要な工程。今日は1回目を迎えられてホッとしています」と胸をなでおろした。

田子櫓などの復旧完了は2028年9月の予定。
(テレビ熊本)