アメリカ・ワシントンで14日、陸軍創設250周年を記念した軍事パレードが34年ぶりに開催された。
一方で、移民政策への抗議デモが全米2000カ所で数百万人規模に拡大した。ミネソタ州では14日、民主党議員らが銃撃され、容疑者が逮捕される事態となり、分断の深まりがさらに浮き彫りになった。

34年ぶり軍事パレード…約7000人の兵士が行進

アメリカのトランプ大統領は14日、目の前を行進する兵士やマーチングバンドの演奏に、にんまりとご満悦の表情を見せた。

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見守ったのは、14日に首都ワシントンで行われた陸軍創設250周年を記念する軍事パレードだ。

アメリカ・トランプ大統領:
私たちは今、世界一熱い国だ。もうすぐかつてないほど偉大で強力な国となる。

湾岸戦争後の1991年以来34年ぶりとなる軍事パレードには、軍用車両や軍用機、最新鋭のドローンなども登場した。約7000人の兵士が1775年以降にアメリカが経験した戦争当時の軍服を着て行進した。

観客:
私たちは250年も生きられない。だからこれは一生に一度の経験。

現地メディアによると、パレードの総費用は4500万ドルで、日本円で65億円に上るとされている。

この日はトランプ大統領の79歳のバースデーでもあり、まるでそれを祝うようなド派手なパレードとなった。一方で、反発の声も小さくはない。

「ノーキングス=王はいらない」をスローガンに掲げる抗議デモが、アメリカ各地で一斉に行われた。

現地メディアによると、デモは全米2000カ所で合わせて数百万人が参加するというかつてない規模で実施され、トランプ政権の移民政策などに抗議の声を上げたという。

デモ参加者:
私にはアメリカ出身ではないおじやおばがいます。彼らは違法にここに来たのですが、アメリカ人の市民と同じように貢献しています。

議員銃撃は政治的動機による犯行か

こうしたデモの激化に備えてトランプ政権は、海兵隊も派遣し、警戒にあたった。

取材班:
抗議活動をする人たちが集まってきています。ビルを守っているのは州兵ではなく海兵隊員です。連邦政府前に派遣された海兵隊員と抗議デモ隊がにらみ合いを続けています。

アメリカの分断が深刻化する中で不穏な事件も発生した。中西部・ミネソタ州で14日、民主党の州議会議員らが銃撃された。「政治的動機」による犯行とみられている。

銃撃された民主党の州議会議員と夫
銃撃された民主党の州議会議員と夫

地元当局によると、ミネソタ州の自宅でメリッサ・ホートマン下院議員とその夫が銃撃され死亡。さらにジョン・ホフマン上院議員と妻も自宅で銃撃されケガをした。

事件について、トランプ大統領はSNSに「このような恐ろしい暴力は許されない」と非難するコメントを投稿した。

そして事件発生から2日後、捜査当局は逃走していたバンス・ボールター容疑者(57)を逮捕した。ボールター容疑者の車からは銃撃された議員の名前を含む約70人の「標的リスト」が見つかったことなどから、当局が犯行動機などを詳しく調べている。
(「イット!」6月16日放送より)

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