2022年6月大分県別府市で発生したひき逃げ事件は、発生から3年を迎える。重要指名手配されている八田與一容疑者について、大分県警が6月2日に容疑に殺人を加えたと明らかにして以降、5月1か月分を上回る情報提供が寄せられていることが分かった。

大分県警「他に類をみない悪質重大な事案」
「本事件は他に類をみない悪質重大な事案であり、被害者およびご家族ご遺族の思いに応えるためにも、県警の総力を挙げて一日も早く被疑者八田興一の発見、検挙に全力を挙げていく」
11日に行われた大分県警の定例会見で福岡弘毅刑事部長はこう述べ、改めて事件解決に全力を挙げる考えを示した。
別府市の交差点でバイクに乗っていた男子大学生2人が軽乗用車に追突され死傷したこの事件は、まもなく発生から3年となる。
現場から立ち去り、重要指名手配されている八田與一容疑者の足取りは依然としてつかめていない。

殺人容疑が加わった6月2日から10日までの9日間の情報提供は約200件
こうした中県警は6月2日、殺意を立証出来る証拠が集まったとして、道路交通法違反のひき逃げのほか、「殺人」と「殺人未遂」の容疑を加え、新たに逮捕状を取ったことを明らかにした。
これ以降、県警に寄せられる情報が急増しているという。
情報提供は、6月1日までの9日間では約40件だったが、殺人容疑が加わった6月2日から10日までの9日間では約200件と、5倍に急増した。
また、この9日間で5月の1か月分を約30件上回っている。

県警「現時点において新たに開示する情報等はない」
寄せられている情報について福岡刑事部長は「情報の多くは県外からのもので、情報を精査したうえで県外での追跡捜査などを継続して実施している」と話している。
また、その他の捜査状況や証拠品関係については「現時点において新たに開示する情報等はない。今回は回答を差し控える。今後新たに開示できるものがあれば随時公開していきたい」と述べた。
県警は事件から3年を迎える6月29日、大分のほか東京や北海道、沖縄など6つの都道府県でもチラシを配り、情報提供を呼びかけることにしている。

殺人などの容疑を加えた八田與一容疑者の新たなポスターの掲示が始まる
八田與一容疑者については殺人などの容疑を加えた新しいポスターの掲示が12日に始まった。新たなポスターは大分県内の警察署のほか、県外の警察にも送られ、順次張り替えが進められるという。
