今年の梅雨は「メリハリ型」になりそう。降る時は災害級の大雨で、晴れ間は危険な暑さに警戒が必要だ。今週末は大雨となりそうだが、週が明けると…まるで梅雨明け?40℃に迫る危険な暑さになるところもありそうだ。
今週末は“災害級大雨”のおそれ
西日本・東日本で本格的な雨の季節に突入している。九州など西日本では、早くも梅雨末期のような記録的な大雨もあった。

今週末、14日(土)、15日(日)は、西日本や東日本の広い範囲で警報級の大雨となるおそれがあるため警戒が必要だ。

12日(木)現在、南シナ海に台風1号が発生しているが、この台風とは別にバシー海峡(フィリピンと台湾の間)付近に熱帯低気圧がある。この熱帯低気圧が今週末にかけて北上してくるため、梅雨前線の活動が活発になる見込みだ。
14日(土)は西日本を中心に、15日(日)は東海など東日本を中心に大雨に警戒が必要。これまでの大雨で地盤が緩んでいる九州などでは、少しの雨でも土砂災害のリスクが高まるため、避難経路の確認・非常用品の準備・側溝の掃除など、大雨への備えを万全にしておきたい。
一方、台風1号は、今後、大陸方面に進み、熱帯低気圧に変わるため、日本への直接的な影響はないが、来週は熱帯育ちの湿った空気を持ち込むため注意が必要だ。
来週は「梅雨明け?」
今週末の大雨の後、来週は夏の高気圧が本州付近にぐっと張り出し、まるで「梅雨明け?」といった気圧配置となり、暑さのギアが一気に上がりそうだ。全国的に最高気温30℃以上の真夏日が続き、名古屋では35℃以上の猛暑日、関東の内陸では40℃に迫る所もありそうだ。

原因のひとつは、台風1号から変わる熱帯低気圧が、熱帯育ちの暑い空気を列島に持ち込むこと。特に、17日(火)~18(水)は、晴れれば地上で40℃に迫る暖気が関東付近に流れ込む見込みだ。

夏至(6月21日)前のこの時期は一年の中で日差しが最も強烈。「真夏並みの暖気 + 強烈な日差し = 熱中症に厳重警戒」となりそうだ。

関東など、少なくとも来週1週間は梅雨の晴れ間となりそう。梅雨の期間は平年40日間のため、さすがに梅雨明けとはならないだろうが、今日12日(木)発表の最新の1カ月予報によると、7月に入ると太平洋高気圧が強まるため、全国的に平年より早い梅雨明けになる可能性が出てきた。

過去、関東甲信地方で梅雨の期間が最も短かったのは23日(2018年・1978年)。2018年は、6月29日に過去最も早く梅雨明けし、熊谷で41.1℃(国内歴代最高気温)を記録するなど災害級の暑さとなった。
今年は梅雨入り早々、「災害級の大雨」と「危険な暑さ」が隣り合わせ。最新の気象情報をこまめに確認に、大雨と暑さに備えて頂きたい。
【執筆:日本気象協会・福富里香気象予報士】