アメリカ・ロサンゼルスで、不法移民摘発に抗議するデモが拡大し、夜間外出禁止令が出された。トランプ政権も州兵4000人の増員と海兵隊約700人の派兵を決定している。

移民摘発に反発…ロス中心部でデモ拡大

アメリカ・ロサンゼルスで10日、発射音が相次いだ。響き渡る発射音は、当局部隊によって移民の取り締まりへの抗議活動を続けるデモ隊に対して行われたものだ。

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抗議デモが起きているのは、ロサンゼルスの中心部にあるダウンタウン地区の一部で、近くには日本人観光客にもなじみ深いドジャースタジアムやリトルトーキョーがある場所だ。

FNNロサンゼルス支局・水本翔支局長:
警察官が続々と到着しています。肩から銃をぶら下げていて、ラバー弾や催涙弾を発射できるようにしているとみられます。

対立のキッカケは、政府機関が6日に行った滞在資格のない移民の摘発だった。

拡大する抗議デモ
拡大する抗議デモ

これに抗議するデモに対し、トランプ大統領は州兵2000人の派遣を決定した。するとデモの規模が拡大した上、一部では混乱に乗じた略奪行為が相次ぐ事態となった。

FNNロサンゼルス支局・水本翔支局長:
アディダスのショップでは、突き破られたドアがそのまま店内に残され、まだ片付けられていません。

こうした状況に対し、ロサンゼルス市はリトルトーキョーを含むダウンタウンの一部地域に、夜間外出禁止令を発令した。

FNNロサンゼルス支局・水本翔支局長:
夜8時を過ぎて、この辺りのお店はすべて閉まっています。
(※メディアの取材は許可されている)

リトルトーキョーで、和食店を営む日本人の男性に話を聞いた。

和食店 こう楽・徳田譲オーナー:
単純に困りますし、これがいつまで続くかっていうのが先が見えないっていうのが一番不安です。(市からは)今のところは何の保証もないです。日本から来る旅行者の方も、ホテルをキャンセルとかドジャースも近いので大谷翔平の試合を観たい方も多いと思うが、この辺にくるのを控えるっていう声が多いです。

収束しない抗議デモに対し、トランプ政権は州兵を4000人に増やした。そして海兵隊約700人の派兵も決定した。さらにトランプ大統領は、通常時は禁止されている海兵隊による逮捕や捜査が可能となる反乱法の発動を示唆した。

男性記者:
カリフォルニアの状況に対処するため、反乱法を発動しますか?

トランプ大統領:
反乱が発生すれば当然発動する。様子を見よう。

また、抗議デモについて「外国の旗を掲げた暴徒による国家主権への攻撃だ」などと非難している。
(「イット!」6月11日放送より)

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