酒に酔った状態で路上に飛び出し、止まった車の助手席に乗ろうとしたうえ、止めに入った知人男性に暴行を加えたなどの疑いで勝山市議会議員が書類送検された。市議会側の聞き取りに対し本人は「ヒッチハイクのつもりだった」としながらも事実を認めた。
駆け付けた知人男性に「殺すぞ」
勝山市議会の委員会に姿を現したのは、2023年に初当選し、現在1期目の李江嵐議員(32)だ。
李議員は5月10日夜、酒に酔った状態で知人男性をたたいた上、威圧的な発言をしたなどとして、暴行と脅迫の疑いで6月3日に県警に書類送検された。
被害者の男性によると、男性の友人が車を運転していたところ、酒に酔った李議員が路上に飛び出して車を止め、助手席に乗り込もうとしたという。友人から連絡を受けた被害男性が現場に向かい李議員を注意したところ、首を押し上げられる、叩くなどの暴行を加えられたうえ、「殺すぞ」と威圧的な発言を受けたというのだ。
「ヒッチハイクのつもりだった」
この件を受けて、市議会は議員政治倫理調査特別委員会を設置。3回目となる10日は、李議員、本人が出席して事件について弁明した。
李議員は、トラブルのあった夜は飲酒を伴う会食があり、相当な量の酒を飲んでいたと説明。「ヒッチハイクのつもりで知人男性の友人の車を止めてしまった」などと弁明した。暴行などの事実については認めた上で、被害者や議会関係者らに迷惑をかけたとして謝罪した。

委員からは「なぜ議会に速やかに報告しなかったのか」「議員辞職の意向はないのか」といった質問が相次いだ。

委員会では今後、再び李議員に対して弁明の場を設け、政治倫理基準に違反する行為がなかったかを調べる方針だ。