中華料理「マーラータン」の魅力に取り付かれた男性が冷凍マーラータンを販売する会社を興しただけでは飽き足らず、その魅力をPRするためにサウナとのコラボが”爆誕”した。
マーラータンの魅力を発信
Z世代の若者を中心に近年ブームとなっている中国・四川省発祥のマーラータン。

数種類のスパイスで作られたスープに野菜や肉といった具材を添えて食べる麺料理だ。
そのマーラータンの虜になり、自身が通う店の味を全国に届けようとマーラータンを冷凍にして販売する会社「おうちでマーラータン」を立ち上げた二瓶寛史さんは「おいしいだけではなく、健康のことも考えられたおいしさに惹きつけられた」と話す。
さらに、マーラータンの魅力を今までにない形で発信することができないかと模索する中、ひらめいたのがサウナだったという。
その名も“頂マーラータンサウナ”だ。

「マーラータン=火鍋であり、“火鍋”に人が入ったらおもしろいと思ったことがきっかけ」と笑う二瓶さんは、個人的に行ってみたい全国の温浴施設に電話をして、マーラータンの導入を相談。
熱意に動かされて実現
当時はまだあまり認知されていないマーラータンだったが、その中でも真摯に耳を傾け、力を貸してくれたのが静岡市駿河区にある用宗みなと温泉だった。

担当者の川畑忠仁さんは「おもしろそうというところから、すり合わせて『こういった形が良いのでは』というところでやっている」と二瓶さんの熱意に絆されたと振り返る。
記者が実際にサウナの中に入ってみると、柑橘とスパイスの香りがほどよく漂い、普段と全く違うサウナ体験だった。

サウナ室にはトウガラシやカルダモンといった合計2kg分のスパイスが置かれていて、血行促進やリフレッシュ効果などが期待される。
利用者に“頂マーラータンサウナ”の感想を訊ねると「エスニックな匂いがした。爽やかな感じがして汗がいっぱい出た」と口にした。
“サ飯”はもちろんマーラータン
サウナで汗をかいた後に楽しみたいのが水分やミネラルを補うための食事だ。
用宗みなと温泉ではいわゆる“サ飯”として、もちろんマーラータンを提供している。

この日、初めてマーラータンを食べたという男性は「SNSで見て食べてみたいなと。おいしくてリラックスできて、あまり静岡で食べられないから来てよかった」と満足気な様子だ。
さらに、用宗みなと温泉ではマーラータンを通じて食品ロスの削減にも取り組んでいる。

前出の二瓶さんによれば「すでにメニューとして扱っている食材の中からマーラータンに合うものを使ってもらうことで注文した食材が無駄になることがない」といい、用宗みなと温泉の川畑さんも「体感としては(廃棄量が)半分以下になった」と証言する。

おいしく食べるだけでなく体全体で“感じる”料理になったマーラータンはSDGsの時代に資する食べ物へと更なる進化を遂げている。
(テレビ静岡)