福岡市の小学校給食で、唐揚げ1個のみの献立が「少なすぎる」とSNSで批判が相次いだ。市は栄養基準は満たしていると説明するが、見た目の寂しさも問題視されている。
唐揚げ1個の給食にSNSで批判噴出
ある小学校の給食が「少ない」「寂しすぎる」と話題になっている。食べ盛り、育ち盛りの子どもたちの給食、これでいいのだろうか。

テーマは「小学校の給食 おかずは唐揚げ1個?ソレってどうなの」だ。
SNSなどで話題となっているのは、4月に福岡市内の小学校で出された給食だ。

福岡市学校給食公社のホームページによると、この日の献立は麦ご飯に春キャベツのみそ汁、鶏の唐揚げ1個と牛乳だった。合計620kcalで、1食あたり600kcalの市の基準は満たしている。

しかし、SNSに画像が投稿されると「少なすぎる。子どもにはおなかいっぱいおいしい物を食べさせてあげたい」「育ち盛りの小学生には少なすぎる給食。早く改善してほしい」「給食が生命線という家庭もある。子どもが寂しい思いをしない世の中になって欲しい」と多くの批判の声が上がった。
街の皆さんにも話を聞いた。この給食、どう思いますか?
街の人:
学校給食だと、ちょっとかわいそう。足りないんじゃないですか。
街の人:
食べ盛りの子たちには少ないかな。
街の人:
今年70歳になるけど、私の子どもの頃はごはんは出なかった。パンだった。それを考えると、どっちが貧しいのかというと微妙だけど、この世の中でこのメインディッシュは確かに貧しい。子供は宝でしょう、国の。その子たちが弱い体になると困るので、きちんとした栄養をとってほしい。

市の教育委員会は番組の取材に対して、唐揚げは1個約60g、155kcalを基準に作っていて「通常の2個分くらいの大きさ」だと回答。
また、大きいサイズとはいえ、唐揚げが1個である理由は、このところの物価高の影響ではなく、昭和の時代から続いているとのこと。味付けや揚げる手間を省く狙いがあるそうだ。
SNSを中心に批判の声が集まっていることについて、話を聞いた。
福岡市教育委員会:
春キャベツのみそ汁の中に、副菜で使用される6種類ほどの野菜が入っています。唐揚げは確かに貧相に見えるため、今後は工夫していきたい。
食べる楽しさも感じられるような給食を
イット!のスタジオでは…
青井キャスター:
山口さん、この給食はどうでしょう?
SPキャスター山口真由さん:
給食は効率化と温かみのせめぎあいなので、「給食のおばさん、いつも豪華な給食ありがとう。見た目も配慮してくれてありがとう」みたいな声が響くのが理想ではありますね。
青井キャスター:
ただ、昭和の時代から続いているということでしたからね。
SPキャスター山口真由さん:
今になっての話じゃないですからね。
青井キャスター:
管理栄養士で給食コンサルタントの金子あきこさんに伺いました。話題になっているこの給食、どう思いますか?

管理栄養士・給食コンサルタント・金子あきこさん:
主菜の唐揚げが1つでお皿の中が寂しい。栄養価もすごく大事だが、給食は見た目も楽しんで食欲が湧くような部分もあると思う。「わくわくする」「食べたいな」と思う給食はすごく大事。その観点でいくと、改善方法はあるのでは。
青井キャスター:
見た目というのも大事ですからね。そんな中、福岡市の小中学校では二学期から給食費の無償化が始まりますが…。

管理栄養士・給食コンサルタント・金子あきこさん:
あれが毎日ではないにしろ、残念な日があると子どもたちがかわいそう。年間通して同じようなものを提供するという工夫も今後していくといい。
物価高が続く中、福岡市は現在も肉の部位を変えたり、価格の高い食材は1g単位で調整しているという。

とはいえ、食育という言葉もある。栄養だけでなく、食べる楽しさも感じられるような給食を期待する。
(「イット!」6月10日放送より)