カナダで6日、前週に発生した山火事が山のふもとにある建物も飲み込み、東京ドーム約43万個分に当たる200万ha以上が焼失した。国内208カ所で火災が発生しており、半数が制御不能となっている。大量の煙は、国境を越えてアメリカの約3分の1を覆った。当局は健康被害への警戒を呼び掛けている。
制御不能続く巨大山火事…鎮火の兆し見えず
カナダ・サスカチュワン州で撮影された火災の映像では、真っ赤な炎が激しく噴き上がっている。ヘリによる懸命な消火活動が続けられているが、炎の勢いが収まる気配はない。

辺りは白い煙に包まれ、数m先も見通せない状況だ。
火災の原因は、前週発生した大規模な山火事だ。火は山のふもとにある建物を呑み込むなど燃え広がり、これまでの焼失面積は200万haを超えた。これは、東京ドーム約43万個分の広さだ。
拡大し続けるカナダの大規模な山火事は、鎮火の兆しが見えず深刻な事態に陥っている。

カナダの森林火災対策当局によると、今もカナダ全土208カ所で火災が起きていて、その半数が「制御できない状態にある」という。
煙に含まれる粒子状の物質による健康被害も懸念
一方、白く霞む高層ビル群が撮影されたのは、カナダの国境に隣接するアメリカ・ミネソタ州だ。白く霞んで見えるのは、山火事で発生した大量の煙だ。

アメリカの気象当局の予報官は、カナダで発生した山火事の煙はアメリカ・ミネソタ州に流れ込み、アメリカ全土の約3分の1が煙に覆われたことを明らかにした。
衛星画像を見ると、大量の煙がアメリカに流れ込んでいる状況が分かる。
そしてもう1つ懸念されるのが、住民への健康被害だ。
煙に含まれる粒子状の物質は、呼吸器系や神経系に害を与える恐れがあり、健康被害のリスクが生じる可能性がある。

気象当局は煙が地表まで達することはないとしているが、既に煙はニューヨークなど東海岸の都市の上空に到達していて、注意を呼び掛けている。
(「イット!」6月6日放送より)