元タレントの中居正広氏をめぐる問題で、フジテレビは港浩一前社長らに対する訴訟の準備に入ったと発表した。

■フジテレビ、中居氏事案で関係者処分を発表 社長「信頼回復に向け継続して取り組む」
フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会は、中居氏と元女性アナウンサーの事案について、港前社長らがプライベートな男女間のトラブルと即断したなどと指摘していた。
またフジテレビは一連の問題に関して、社員など関係者の処分を発表した。
具体的には当時の編成部長について、中居氏からの見舞品を元女性アナウンサーに届けるなど、二次加害となりうる不適切な行為をしたなどとして、4段階降職の懲戒処分とした。
その他、当時の編成制作局長を減俸50%、当時のアナウンス室長をけん責、当時の人事局長を戒告などとした。
さらに今回の処分の中には、第三者委員会の報告書で指摘された報道局のハラスメント事案の処分も含まれている。
清水社長は5日の会見で、「フジテレビとして信頼回復に向け、継続して取り組みを進めていく」などと話した。

フジテレビの問題に詳しい河西弁護士は今回の訴訟提起について次のように話す。
(Q.このようなケースはよくある?)
【レイ法律事務所 河西邦剛弁護士】「非常に珍しいケースと言える。責任のなすり付け合いになることがあるので、旧経営者陣を訴えるのは、かなり消極的なのが一般的」
(Q.今回の訴えの意図は?)
【レイ法律事務所 河西邦剛弁護士】「今回(賠償)金額については明示していない。6月25日の株主総会より前のタイミングで、旧経営者陣の責任追求の意思を明らかにすることで、“旧経営者陣との決別”をPRしたかった可能性」
今後、株主総会でどういった責任追及がなされるか注目される。

■石戸諭氏「旧経営陣への賠償請求は大きなポイント」
元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭氏は「旧経営陣への賠償請求は、責任追及の姿勢を示す大きなポイントだ」と述べる。
石戸諭さん:僕はまず、社内処分について軽すぎるという声が出るのは、当然のことだと思います。社内外から『軽いんじゃないか』という声を聞きましたが、フジテレビ側もなぜこういう処分にしたのかに関しては、複数の弁護士事務所からの聴取というか、確認をした上で公表していると。
石戸諭さん:しかも公表した内容も、それなりに説得力のある形で公表しているので、軽いかどうかはそれを読んで判断した方がいいと思います。
石戸諭さん:今回の最大のポイントは、賠償の請求を旧経営陣に、特に港氏、大多氏2人に対して行うと発表したこと。ここはかなり大きなポイントだったと思います。彼らの判断が間違っていなければ、『こんなことにはならなかったんだ』という1つの筋を作っていったという所に驚きはありましたが、当然のことかなとも一方で思います。

青木源太キャスター:アピール、PRという見方を河西弁護士はしていましたけど、やはり対外向けにという側面もある?
石戸諭さん:そうですね。本当に株主総会が迫っていますから。この株主総会で今のフジテレビ側が出してる経営陣の構想になるのか、それとも外資系ファンドのダルトンを中心に出ている構想かの、委任状の取り合いが、もし本当に起きるとするなら、やはりここで、『自分たちは本当に生まれ変わったんだ』ということをアピールするために、必要な措置のひとつかなとも思います。
株主総会は6月25日に行われる。

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年6月6日放送)