7月20日投開票が有力視される参議院選挙の公示まであと1カ月。6月3日、参院選の立候補者予定者向けの説明会が開かれ、4つの陣営が参加した。いよいよ選挙へ向けて各陣営が動き出すことになる。「議席1」をめぐり立候補を予定している4人の顔ぶれとその訴えを取材した。

山形選挙区で立候補を予定している4人(6月3日時点)
山形選挙区で立候補を予定している4人(6月3日時点)
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ガソリン・電気代など生活者目線で訴える現職・芳賀氏

無所属の現職・芳賀道也氏は、立憲民主党・国民民主党の両県連と、連合山形の統一候補として再選を目指す。

芳賀さんは、国会で国民民主党の会派・新緑風会に所属。
「ガソリン価格や電気代の引き下げ」「103万円の壁の178万円への引き上げ」など、生活者目線での訴えを展開している。

無所属の現職・芳賀道也氏(67)
無所属の現職・芳賀道也氏(67)

5月の街頭演説で、芳賀氏は「国民が主役の政治を取り戻す夏にしよう。そしてもっと手取りを増やす夏にズームイン」と話す。

また、国民民主党の県連大会に駆けつけた玉木雄一郎代表は、「芳賀道也氏が立候補を予定している。私たちの仲間。手取りを増やすためにも、みなさんの力を結集してほしい」と支援を呼びかけた。

物価高に対応し、ガソリン・電気代の引き下げなど生活者目線で訴える
物価高に対応し、ガソリン・電気代の引き下げなど生活者目線で訴える

6年前・2019年の参院選で、共産党も含む「野党統一候補」として自民党の現職を1万6000票あまりの差で破り初当選を果たした芳賀氏。

しかし今回は共産党が独自候補を擁立しているため、与党の批判票が割れる見通しで、「草の根」の真価が問われる選挙戦となりそうだ。

共産党の独自候補擁立で“与党の批判票”が割れる見通しで、厳しい選挙戦が予想される
共産党の独自候補擁立で“与党の批判票”が割れる見通しで、厳しい選挙戦が予想される

無所属・現 芳賀道也氏:
「この物価高で与党は何もしない。野党頑張ってくれ」という声が多い。それだけみなさんが困っている。困っている人の声を聞いて何とかするのが政治。
それが行われていないのがおかしい。ますます「何とかさんなね」という思いで活動を続けている。

「困っている人の声に耳を傾け、何とかするのが政治」と語る芳賀氏
「困っている人の声に耳を傾け、何とかするのが政治」と語る芳賀氏

地方分散・食料品の消費税減税を掲げる大内氏

自民党の新人で元県議の大内理加氏は、野党に独占を許している参議院の議席奪還に向け前回に続き、2回目の挑戦。

「私の1議席はこの県のために必要な1議席。安定政権を確立するための大切な1議席。しっかりとその使命を果たしていきたい」と話す。

元県議で自民党・新人の大内理加氏(62)
元県議で自民党・新人の大内理加氏(62)

前回の参院選で敗れてから、県内各地の集会やまつりなどに参加し知名度アップを図ってきた。
大内氏は「人口減少の対策として地方分散の国づくり」「物価高対策として、しっかりとした財源を確保した上で食料品の消費税減税」などを訴えている。

山形市・佐藤孝弘市長をはじめ、県内35市町村のうちの24市町村長が大内氏の推薦を決めた。
また、党の組織力も駆使した厚みのある前哨戦を展開している。
一方で、自民党県連が支援を期待する吉村知事は、参院選への対応についてこれまで明言していない。

自民党県連大会に衆議院議員・小渕優子氏が参加するなど党の組織力を駆使
自民党県連大会に衆議院議員・小渕優子氏が参加するなど党の組織力を駆使

2021年の知事選にも出馬した大内氏が「全県選挙」を戦うのは3回目。
「政治生命をかける」と意気込む。

政治生命をかけて今回の参議院選挙に臨む
政治生命をかけて今回の参議院選挙に臨む

自民・新 大内理加氏:
今が一番政治に対する意見が厳しく日々の暮らしに対する苦しい声をたくさん聞いている。地方で暮らす人が心だけではなくて経済的にも豊かに生活ができるよう、国の政策に地方の声を反映させていきたい。

「県民が心だけでなく経済的にも豊かに生活できるよう地方の声を反映する」と話す
「県民が心だけでなく経済的にも豊かに生活できるよう地方の声を反映する」と話す

消費税5%・農業を守る所得補償を訴える三井寺氏

共産党の新人で党の県国政対策委員長を務める三井寺修氏は、2024年の衆院選に続き2回目の国政選挙への挑戦となる。

党の県国政対策委員長を務める共産党・新人の三井寺修氏(45)
党の県国政対策委員長を務める共産党・新人の三井寺修氏(45)

「政治の力で賃上げをモットーに、最低賃金を全国一律時給1500円、農業では農産品目への価格保障や農家への所得補償で日本の農業を守る」と意気込んでいる。

「消費税5%への減税」「農業を守る価格保障と所得補償」などを訴え、県内各地で街頭演説を重ね浸透を図る。

消費税5%への減税・農業を守る価格保障と所得補償などを訴える
消費税5%への減税・農業を守る価格保障と所得補償などを訴える

共産党県委員会・本間和也委員長は、「この6年間で残念ながら芳賀道也氏とともに共闘する条件が失われてしまった」と、国民民主に近い芳賀氏の政治スタンスを問題視。
対立姿勢を前面に押し出している。

前回選挙では野党統一候補擁立で協同したが、今回は現職との対立姿勢を前面に出す
前回選挙では野党統一候補擁立で協同したが、今回は現職との対立姿勢を前面に出す

共産・新 三井寺修氏:
自民党、その手助けをする野党、どちらも日本の政治を託すことができない。県民一人一人に日本共産党の政策を訴えて、足で稼いで訴えを広げていく。これに限る。

街宣車で県民各地をまわり、一人ひとりに政策を訴えかけ伝えていく
街宣車で県民各地をまわり、一人ひとりに政策を訴えかけ伝えていく

一次産業の農業復活訴え選挙初挑戦の佐藤氏

参政党の新人で党の県国政改革委員を務める佐藤友昭氏は、「いま日本変えよう。これからいい国を作ろう」と、今回初めて選挙に挑戦する。

党の県国政改革委員を務める参政党・新人の佐藤友昭氏(52)
党の県国政改革委員を務める参政党・新人の佐藤友昭氏(52)

山形市で工業用品の卸売業を営む佐藤氏。
いまの政治には国民の意見が反映されていないと感じ、参政党の一員として出馬することを決意した。

参政党山形県連・元木光一郎会長は、「いまここに集まった我々の力を、全県の活動をまだできていないサポーターと一緒に広げていきたい」と話す。

選挙初挑戦、雨の中でも街頭に立ち訴える
選挙初挑戦、雨の中でも街頭に立ち訴える

佐藤氏は「農業政策として所得補償や価格保障」「減税により、税金と社会保険料を足した国民負担率を35%以下にすること」などを訴えていて、政府が積極的に財政支出を行い、経済を回していくべきだとしている。

「農業政策・減税で国民負担率35%以下にし経済を回していくべき」と訴える
「農業政策・減税で国民負担率35%以下にし経済を回していくべき」と訴える

参政・新 佐藤友昭氏:
経済が復活するためには一次産業の農業を復活させる。もう一つは国民の生活。減税や積極財政で国民の暮らしを良くしていく。

「減税・積極財政で国民の暮らしを良くしていく」と
「減税・積極財政で国民の暮らしを良くしていく」と

参院選は7月3日の公示、20日の投開票が有力視されている。

現在のところ、7月3日公示・20日投開票の見込み
現在のところ、7月3日公示・20日投開票の見込み

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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