米の価格高騰に便乗し、実在の精米店名を騙る偽の通販サイトが横行している。偽サイトではブランド米が半額で販売されていた。検索広告で公式より上位に現れる偽サイトもあり、国民生活センターは、不自然な価格や連絡先の不備がある場合、注意が必要だと呼び掛ける。
激安表示で誘う…偽の通販サイト急増
「おコメサイトで詐欺にあった。決済後にメールが来なくておかしいと気付いて調べたら詐欺サイトだった。すぐにカード停止。情けない」
「引っかかりました!安い!と思って購入したら注文完了のメールも何もなし。高い勉強代、あまりにも安いと思ったらご用心!!」
SNSには、米のネット通販トラブルを訴える声が続々と書き込まれていた。

米の高騰につけ込んだ、いわゆる“振りコメ詐欺”だ。中には実在する精米店の名前を騙った偽サイトもある。被害を訴えるのは、新潟・長岡市の「お米のたかさか」。

取材班:
サイトのデザインは全く違うように見えますが、ホームページをよく見てみると、カテゴリーリストのデザインはほぼ同じです。
「お米のたかさか」公式HPより:
お客様のお知らせにより、当社の名前を勝手に名乗る詐欺サイトが複数あることが判明いたしました。全く無関係ですのでご注意ください。

偽サイトを見るとセールの文字が踊り、5kg=5513円の『令和6年産あきたこまち』が2757円と半額で販売されるなど、ブランド米が破格の安値になっている。一方で、説明文の中にはアルファベットや中国語の表記が混在するなどおかしな点もみられた。

この偽サイトに記された住所は「東京都台東区上野」。
マップで検索すると、そこは上野駅そばの高架下にある衣料品店がある場所で、周囲に精米店らしきものはなかった。
精米店では、過剰な安売りをうたう米販売サイトへの注意を呼び掛けていた。
「お米のたかさか」公式HPより:
このご時世に安売りやセールを行うことはございませんので、割引されているサイトにはご注意ください。
通常より不自然な安さに要注意を
青井実キャスター:
偽サイトまで出てきたという話ですが、これはなかなか精巧で見抜くのが難しいですよね。

SPキャスター柳澤秀夫さん:
難しいと思いますよ。普通の人がこれを見抜くのは本当に難しい。
青井キャスター:
さらに困ったことに、自分の欲しいものを検索すると、一番上にこの詐欺サイトが出てくることもあるそうです。「アイリスオーヤマ 米」と検索すると、一番上に出てきたのが詐欺サイトなんです。下が公式のサイトということで、警察も注意を呼び掛けていますが、なかなかということなんです。
遠藤玲子キャスター:
公式よりも上に詐欺サイトが来てしまったら、我々はどう見極めれば良いのか分からないですね。
青井キャスター:
なぜこのようなことが起こるのか、ITジャーナリストの三上洋さんに聞きました。三上洋さんによりますと、これは検索連動型広告と言って、検索ワードに合わせてサイトが表示される仕組み。広告主の審査が甘いのではないかとも言われているということです。

遠藤キャスター:
私たちは、どうすれば詐欺に引っかからないで済むのでしょうか。
青井キャスター:
国民生活センターによると、価格が通常より不自然に安かったり、連絡先が明確に記載されていない、あとは問い合わせ電話番号が通じないなどのポイントがあるそうです。では、どうやって対策すればいいのかということですが。
SPキャスター柳澤秀夫さん:
人を見たら泥棒と思えじゃないですが、こういうサイトを見たら詐欺と思えという感じになってしまいますね、残念ながら。
青井キャスター:
三上さんによると、検索サイトやSNSの広告からは買わない。大手通販サイトやメーカーのホームページから商品を検索して買ってください。大手通販サイト保証が手厚いですので、対策になるのではないかということでした。
SPキャスター柳澤秀夫さん:
SNSで色々と問題がアップされていることがあるから、詐欺という格好で検索してクロス検索してみると良いかもしれませんね。
青井キャスター:
皆さんの情報が、そこにもしかしたらあるかもしれないですね。
遠藤キャスター:
これからの時代、私たちはどのサイトを信じればいいのか分からないわけですよね。どう判断していけばいいのか。
SPキャスター柳澤秀夫さん:
人を見たら泥棒と思え、サイト見たら詐欺と思えというようにならざるを得ないですよね。また、検索サイトを運営してる側の責任もあると思います。
まずは、「疑うことから」ということかもしれない。
(「イット!」6月5日放送より)