5日は県内全域で晴れたものの、今は梅雨の真っただ中です。
そこで今回は雨をテーマに、山下気象予報士と一緒にお伝えします。
九州南部が梅雨入りして、3週間がたちました。
5日は天気予報を見る上で、改めて視聴者の皆さんに知っていただきたい雨の強さと降り方についてお伝えします。
まずは、こちらをご覧ください。
大雨が予想された時に、天気予報でよく耳にする予想雨量。
「1時間に何ミリの雨が降りますよ」と聞いて、皆さんは具体的にイメージできますか?
男性
「量が多かったら災害が起きるということにもなりますよね」
女性
「ちょっと分かりにくい、普通は。雨が降るって言ったら傘を必ず持って出る、そんな感じ」
実際にどんな雨なのか、県内で体験できる場所があります。
訪ねたのは、薩摩川内市消防局にある防災研修センターです。
県内で唯一、雨と風の再現を体験できる施設となっています。
山下気象予報士
「よろしくお願いいたします」
薩摩川内市消防局・重村卓児さん
「防災研修センターにようこそ」
案内してくれるのは、担当者の重村卓児さんです。
山下気象予報士
「どんな雨が体験できる?」
重村さん
「30ミリ、50ミリ、80ミリ、150ミリ、4つのパターンが体験できる」
まずは1時間雨量50ミリ。
「非常に激しい雨」から体験します。
山下気象予報士
「視界もはっきりと分からないくらいの降り方。これくらいの降り方だと、車の運転もかなり危険なように感じる」
続いて1時間雨量80ミリ。「猛烈な雨」になると…
山下気象予報士
「さきほどと比べると、傘に打ちつける雨の音が大きくなってきた。道路には水たまりができて、浸水・氾濫も起こってしまうのが想像できる」
最後は1時間雨量150ミリ。
県内のアメダスの観測史上最大記録、143.5ミリに近い雨です。
山下気象予報士
「この降り方は完全に身の危険を感じる。息苦しさも感じる。外に出るのがかなり危険な雨の降り方。傘に打ちつける雨、だいぶ重い」
さらにそこに…
重村さん
「いきますよ。5mです」
風が追加され・・・
山下気象予報士
「傘を片手で持つのが難しい」
「傘が壊れちゃった・・・」
「私たち気象予報士が、これから『非常に激しい雨や猛烈な雨が降ります』と言ったときは、本当に危険な降り方になると分かってもらえたのかなと思う」
レインコートやタオルなども準備してあり、誰でも体験が可能です。
ほかにもこちらには、過去の大地震を体験できる地震体験に…初期消火の体験や…火事から逃げるときを想定した煙体験もあります。
いざというときの備えを体験を通して身につけてみてはいかがでしょうか?
重村さん
「常に危機意識を持って準備をして、防災リュックなど、すぐに避難できるような態勢をとって自分を守る行動を行ってください」
梅雨時期はまだまだ続きます。
鹿児島ならではの大雨になりやすい地域や時間の傾向を知るのもひとつの心構えになりそうです。
鹿児島地方気象台の津波古主任予報官に鹿児島の雨の特徴について聞きました。
鹿児島地方気象台・津波古悟主任予報官
「梅雨の時期の気圧配置からすると、太平洋高気圧のほうが、日本のはるか東から日本の南まで張り出しますので、どうしても南西風の風が流れ込みやすい状況になってますので、南薩から北薩中心に、東シナ海側に面した地域が(雨量が)多くなるような傾向がある」
梅雨時期の集中豪雨について最近の研究では…
津波古さん
「明け方から朝、九州では増えているという調査報告がなされている」
気象研究所が発表した時間帯ごとの集中豪雨の発生数です。
赤色で示した九州では一日の中でも特に明け方から朝の時間帯にかけて、集中豪雨が多くなっていることが分かります。
理由はいくつか考えられますが、その一つに、夜は陸上よりも温度が高い海上で雨雲が発達しやすいこと。
九州は西側が海なので、雨雲が朝にかけてそのまま陸地へと流れ込みやすいことが考えられています
津波古さん
「土砂崩れ、河川の増水など身の回りの体験等もあると思う。過去の経験もイメージしながら、予想雨量について確認をしてもらいたい」