鹿児島県志布志市の「ガンマン」の話題です。
「ガンマン」と言うと、西部劇で活躍する保安官やカウボーイを思い浮かべる方が多いと思いますが、志布志港には岸壁で活躍する「ガンマン」がいます。
寸分の狂いもないプロの技を取材してきました。
志布志港の国際コンテナターミナルです。
ゲートの前には、入場申請を行うトレーラーが列を作っていました。
私たちも志布志港の「ガンマン」に会いに行くため、特別な許可をもらいターミナル内に入ります。
志布志港国際コンテナターミナルは年間約10万TEU、長さ6メートルのコンテナ約10万個分の荷物を取り扱っています。
ここで活躍する「ガンマン」とは一体どんな職業なんでしょうか。
鹿屋支局・春山たかよ記者
「こんにちは。志布志港にガンマンがいると聞いたのですが本当ですか?」
志布志東洋埠頭 現業部・松永隼人部長代理
「いますよ。あそこの上でクレーンのオペレーターをしているのがガンマンと言って『ガンマン』というのは略していて正式には『ガントリークレーンオペレーター』と言います」
ガントリークレーンの「ガン」に、人を意味する「マン」を合わせた「ガンマン」。
由来となった「ガントリークレーン」がこちらです。
高さ約35メートル、到着した船舶からコンテナを釣り上げトレーラーに積み込みます。
自身も「ガンマン」という松永さんに操縦席へ案内してもらうことに。
階段や小型のエレベーターを使い、高さ約30メートルの場所まで移動します。
10階建てのマンションと同じ程度の高さに…足元は金網...足がすくみます。
高所恐怖症の私は思わずこんなことを口走っていました。
春山記者
「わー、もう無理です!私。ここで待ってるのも嫌だけど…」
やっとの思いでたどり着いた操縦席に入ると男性がクレーンを操っていました。
ガンマン6年目の野邊真弥さんです。
コンテナの上にいる相棒、「デッキマン」と無線でやりとりしながら目視でワイヤーをおろし、コンテナをトレーラーに積み込みます。
ガンマン6年目・野邊真弥さん
「センサーは無くて、2つのレバーを主に使って操作します」
驚いたことに、正面だけでなく野邊さんの足元までガラス張り!
ガンマン6年目・野邊真弥さん
「乗り始めの頃は怖かったですけど、今は慣れたので怖いというのはないですね」
安全と正確さを追求しながら、コンテナ1個あたり約2分というスピードで作業を行います。
あまりに正確だったので、こんな質問をしてみました。
Q.UFOキャッチャーも得意ですか?
「UFOキャッチャーはとても苦手です」
現在、志布志港には、コンテナの積みおろしを行う会社が3社あり、こちらの会社では、多い時で1日600個のコンテナを扱っているそうです。
コンテナでは主に海外から畜産飼料を輸入し、そのエサで育った南九州の牛、豚、鶏などが輸出されています。
志布志東洋埠頭 コンテナ現業部・松永隼人部長代理
「ここで荷役をしないと牛、豚、農家さんたちが生活ができなくなるので、しっかり頑張って農家さんにエサを届けたい」
志布志港のガンマンは6日も操縦かんを握り、国内有数の畜産地帯を支えています。