国民民主の玉木代表は5日、今国会の会期末に内閣不信任案が出れば衆参ダブル選挙もありうるとして「常在戦場」を呼び掛けた。不信任案提出について立憲民主党は、党内でも提出の是非で意見が割れている状況だ。

衆議院解散に伴う衆参ダブル選挙の可能性示唆

5日正午過ぎ、国民民主党の玉木雄一郎代表が衆参ダブル選挙の可能性に言及した。

国民民主党・玉木代表:
内閣不信任案の取り扱いをどうするのか。解散権限は総理にしかありませんから、我々はそうなったら戦うしかない。参議院選挙に向けて今、しっかり用意をしていますけれど、場合によっては衆議院選挙もあるんだと。

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玉木氏はこのように、今国会の会期末に内閣不信任決議案が提出された場合、衆議院解散に伴う衆参ダブル選挙もありうるとして「常在戦場」を呼び掛けた。

不信任案が可決されたら解散しかないか

各党の思惑について、フジテレビ政治部の高田圭太デスクが解説する。

青井キャスター:
不信任決議案が出されて可決された場合、衆参ダブル選挙の可能性も出てくるのか、そこまでいくのでしょうか。まず、石破首相についてですが、一部メディアでは不信任が出されたら解散するのではと報道も出ていますが、石破首相の考えはどうでしょうか?

フジテレビ政治部・高田圭太デスク:
石破首相の頭の中を推測すると、必ず解散して勝てるなら解散するが、リスクもあるというのが本音だと思います。石破さんは、政権発足以来ずっと少数与党で、本当に政策で苦労してきました。そして岸田前首相などからも、このままじゃなく安定政権にして思い切った政策を進めるようにしなければいけないということなので、必ず解散して選挙で過半数を獲得できそうなら解散したいという気持ちはあると思います。

ただ、やはり解散して負けてしまったら、政権が終わってしまいます。そして公明党はダブル選挙というのは一番嫌がる状況ですので、もし不信任案を出さないでくれるなら、その方がいいという気持ちはあるということです。

青井キャスター:
党内から不信任が出された場合ですが、国民に信を問うべき首相が適宜判断など様々な声があるわけですけれども、この辺りどうですか?

政治部デスク・高田圭太さん:
まず、自民党の前提として不信任案が可決されてしまったら、解散しかないのではないかという声が広がっています。総辞職という方法も当然あるのですが、小泉改革、米改革などの影響でちょっと支持率が回復傾向にあるので、ボロ負けだったらさすがに退陣になりますが、これだったら勝負できるんじゃないかという見方が増えてきているなという感はあります。

ただ、不信任が出た時点で即解散するのか、否決するためにいろいろ動くのかというと、なかなか判断が難しいところで、その時の情勢によるのだと思います。

青井キャスター:
野党を見ていきますが、野党で単独で不信任を出せるのは立憲民主党のみということです。立憲内では小沢氏から「野党は解散総選挙を喜ばなければならない。不信任案が通るかもしれない時に、やらないなんてバカじゃないか」という声も出ていますが、野田代表はどう考えますか?

政治部デスク・高田圭太さん:
野田さんは、政治的空白を解散によって作るべきではないという思いはありつつも、展開次第では出さざるを得なくなる可能性もあると、いろいろ今迷っているのではないかと思います。立憲民主党の中でもいろいろ意見が割れていて、石破首相は追及しがいがありますし、比較的野田さんと相性もいいので、この状態でより立憲の存在感を高めていく戦略もあります。

そして野田さんは日米交渉を邪魔したりして立憲のせいで交渉が止まったとか、これは一番嫌うというか、なかなか首相経験者として飲めないところです。ただ、党内で小沢さんの声、あるいは国民民主党の玉木さんから、ここで政権を取ろうとしてるのに逃げるのかとか、逆に自民党と手握ってると見られるのも嫌なので、状況次第では出さざるを得なくなると解説する野田代表の周辺の人もいます。

青井キャスター:
立憲が提出した場合ですけども、国民と維新というのは賛成するんでしょうか?

政治部デスク・高田圭太さん:
国民民主は「出てきた時に考える」としてまだ決めてはいませんが、石破政権が103万円の壁、178万円まで上げなかったことへの不満は強めていますので、賛成する可能性の方が高いのではないかと思います。

維新の方ですが、教育無償化などを進めていますから、これをより進めるためには「石破政権と合意を進めていこう」という風にもできるのですが、なかなか党勢も今難しい中で、前原さんも「首が取れる時に取りに行かなければ」と、かなり激しいこと言っていますので、ここはギリギリの判断になるのだと思います。

青井キャスター:
パックン、この不信任をめぐる駆け引き、どう見ますか?

SPキャスターパックン:
野党の気持ちはよく分かります。103万円の壁とか、教育無償化で今存在感を見せてる。さらにはコメの価格が高いから、国民の不満も高い。今選挙をやりたいというのは理解できますが、これがこの提出の大義名分になるのかどうか。そこはやはり出された時に国民が精査しなきゃいけない。

青井キャスター:
もし提出した場合は、情勢的にどう見ていけばいいですか?

政治部デスク・高田圭太さん:
物価高対策やコメの価格問題、この辺に対する国民の評価をどう見るかで、この不信任案にも説得力が出るか出ないか、変わってくると思います。

青井キャスター:
仮に再来週辺りに提出がどうなるかという時に、来週党首討論ありますよね。その辺りの党首の雰囲気は重要ですね。

政治部デスク・高田圭太さん:
にじみ出るんじゃないかとは思います。
(「イット!」6月4日放送より)

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