雲仙普賢岳の大火砕流から34年となった3日、ふもとの雲仙岳災害記念館で開かれた「いのりの灯」にフランスから参加した人たちがいます。
アンドレ・ドゥメゾンさんです。
アンドレ・ドゥメゾンさん(74)
「私は火山学者のモーリス・クラフトとカティア・クラフト2人の友人を失いました」
ドゥメゾンさんは、大火砕流で犠牲となった世界的な火山学者・クラフト夫妻の元助手です。
19年間、夫妻と世界中の火山を回りました。
3日、夫妻の終焉の地である島原市の北上木場で黙とうを捧げました。
モーリス・クラフトさん(当時45)
「私たちは火砕流に大変興味がある。(雲仙・普賢岳の)映画をつくりたい」
34年前、新聞やテレビの関係者は雲仙・普賢岳を正面に望む一帯を「定点」と呼び、連日カメラを構えました。
クラフト夫妻は火山への防災意識を高める映像を作るため、1991年5月末から島原に入りました。
そして2人の遺体は、定点から約100m上で発見されました。
2025年3月にリニューアルオープンした雲仙岳災害記念館には、夫妻の功績を伝える常設コーナーが新たに作られました。
夫妻が世界各地で撮影した貴重な火山の画像や映像は、フランスの財団が遺族から買い取り、記念館に無償で提供しています。
アンドレ・ドゥメゾンさん(74)
「記念館を訪れることができて夫妻が制作した作品を見るのは本当に嬉しいこと。展示品を見て、まるで彼らが島原で生きているかのように感じた」
モーリス カティア・クラフト図像コレクション代表 ジュリアン・デュモンさん(39)
「特に若い世代に科学や火山に触れて関心を持ってもらうことが大切」
記念館は今後も夫妻が撮影した画像や映像を定期的に入れ替えて展示する方針です。