1年間に生まれた赤ちゃんの数が2024年初めて70万人を割り込んだことが判明。
“少子化”が、想定を遙かに上回るペースで進んでることが分かった。
そんな中、少子化対策で“奇跡のまち”と呼ばれている町があった。
初めて70万人を割り、統計開始以来、過去最低の数字に
20代男女:
70万人を切ったのは結構衝撃。周りでも結婚してるけど、まだ子供はいいかなという夫婦もいたりして、経済面とか。

厚生労働省が公表した「人口動態統計」。
2024年の出生数は68万6061人で、前の年より、4万人以上減った。
20代男女:
この子が大きくなった時のこと考えたら心配はありますね、年金とか。

第2次ベビーブームの1970年台前半には、200万人を超えていた年間出生数。

2016年に初めて100万人の大台を割ると、2022年には80万人を下回り、さらに僅か2年で今回初めて70万人を割り込んだ。
明治32年の統計開始以来、過去最低の数字。

また、1人の女性が生涯に産む子供の数を表わす「合計特殊出生率」は、全国平均で「1.15」。
9年連続で低下し、過去最低となった。
40代女性:
しばらくは減ってくんだろうなと思います。

都道府県別で出生率が最も低かったのは東京都で「0.96」。
次いで、宮城県と北海道という結果に。
最も高いのは沖縄で「1.54」だった。

人口を維持するには「2.07」が必要とされ、全ての都道府県が下回り、少子化に歯止めがかからない状況が続いている。

東京都の出生率が「1.0」を切るのは、2024年に続き2年連続。
なぜここまで出生率が下がり続けるのか。
20代女性:
キャリアが途切れるとなると、生むのは悩む。仕事と両立できれば子ども欲しいが、出産となったら1年休職。

一方、子育て中の人から聞かれたのは、“金銭面への不安”。
30代女性:
習い事を3つ4つさせてるけどお金が掛かる。
20代女性:
もう1人欲しいけど、経済的に厳しい。今は大丈夫だけど、小学校、中学校とか先のことを考えるとできない。
そして“現在、パートナーがいる”という人に「将来のプラン」を聞くと。
20代と30代:
子ども2人ほしい、まずは1人からだね。保育園の事を考えるとなかなか難しい。共働きでないと難しいから。
30代女性:
パートナーがいるんですけど結婚はいいかな。物価高もあって、金銭的に将来の不安があるので今はいいかなと。
「経済的な支援は、生まれる前から大学卒業まで」
こうした中、人口は5500人程ながら、2022年の出生率が「2.21」と少子化対策で“奇跡のまち”と呼ばれているのが岡山・奈義町。

4日も、町の子育て支援施設には多くの親子の姿があった。
岡山・奈義町で子育て中の人:
子育て支援がしっかりしてるっていうのを知ってて、津山市から奈義町に引っ越してきました。
岡山・奈義町で子育て中の人:
子育てしてるお母さんに向けてのイベントとかが豊富なのが魅力なのかなと思います。

出産時や子供が幼い頃だけでなく、大学卒業までカバーする独自の「子育て応援策」を打ち出し、高い出生率を実現。
岡山・奈義町役場の担当者:
“切れ目が無い支援”っていうのは特徴。経済的な支援は、生まれる前から大学卒業まで一切切れ目無く実施しております。

2年前には岸田前総理も視察に訪れた。

厚労省は「急速な少子化に歯止めがかかっておらず、危機的な状況に変わりない。対策に力を入れて取り組んでいきたい」としている。
(「イット!」 6月4日放送より)