「大正ロマン」の画家・詩人として知られる、竹久夢二。
生誕140年の節目に富山県水墨美術館でYUMEJI展が開かれています。
竹久夢二の作品は大きな瞳と色白のうりざね顔、そして細長くしなやかな体は竹久夢二が理想とした女性像で、「夢二式美人」とも称されています。
3回にわたり、竹久夢二の人生を夢二郷土美術館館長代理、小嶋ひろみさんの案内で辿ります。
まず、出生から画家としての歩みを始めるところから見ていきましょう。
「岡山県瀬戸内市邑久で生まれておりまして、数えの16歳の時に九州の方に引っ越します。早稲田実業学校と進んでいくわけなんですけども、少年少女向け雑誌に挿絵を投稿することで第一書を取り、それが画家へと進む第一歩となります」
画家へと第一歩を踏み出した竹久夢二は、岡山の風景や幼い頃の記憶を描いた作品を残しています。
そこには、夢二の大切な人物が描かれていました。
「夢二の姉の松香さん。自分を包み込んでくださるような女性たちがルーツになって、そして、妻となったたまき。そういった夢二が出会った大事な女性たちというものが夢二の理想の女性像と重なってできたのが夢二式美人でございます」
上京後、妻となるたまきと出会い。二人の店・港屋絵草紙店を開店。これが、夢二の画家人生の最初の転機となります。
今で言う、アーティストのブランドショップのようなものでしょうか。
「夢二の「千代紙」ですとか「封筒」と言った文具などがその港屋絵草紙店で取り扱われておりまして、夢二の画家としての人生の中で非常に新しい動きではないかと思います」
自らの原風景を描くことから始まった夢二の画家人生。
妻・たまきとの出会いで転機を迎え、自らの店で作品を発表。
この後、青年・夢二は大正ロマンを象徴する画家として飛躍を遂げます。
県水墨美術館で開催中、「生誕140年YUMEJI展―大正浪漫と新しい世界」
作品は、夢二生誕の地・岡山県にあります「夢二郷土美術館」のコレクション。
夢二の世界観に没頭してはいかがでしょうか。