この熱中症への対策で厚生労働省は今月から企業に対して医療機関への搬送の手順などをあらかじめ決めて、職場で周知することなどが義務づけられました。

熱中症のおそれがある労働者を早く見つけて対処することで重篤化を防ごうという試み、富山市内の建設会社も新たなシステムを導入しました。

富山市の松原建設が工事現場に導入したのは腕時計の形をした「熱中症対策ウオッチSIGFOXカナリア」で今回、約10個を購入しました。

工事現場の作業員が装着することで脳や臓器など体の中心の機能を守るために一定に保たれる温度「深部体温」がリアルタイムに計測されます。

この深部体温が上昇し、その熱をうまく外に逃がすことができず、38度を超えるとアラームを発して会社内にある管理システムに通知される仕組みです。

*現場担当者
「赤いのは今現在の深部体温の計測になる。リスクレベル3以上になったらアラームが鳴り、事業所ではパソコンのモニターに通知がくる。体調が異常だということで、休憩に入ってもらう流れになっている」

休憩場所としてテントのほかに、冷房が効いた中で休めるバン型の特注車両を2台用意していて今年はさらにベッドも備えた1台を新しく導入するとしています。

*松原建設 工事部 飛島栄寛主任
「これまでは現場からの申告に頼っていたが、この熱中症対策ウォッチを使うことによって、現場事務所から管理できるので、リアルタイムで従業員の体調管理ができる」

松原建設によると、体温のデータ化によって従業員の体調を正確に把握し、重症化する前の早期退避や休憩判断が可能になったとしていて、今後、新しく導入した「熱中症対策ウオッチ」を増やすことを検討したいとしています。

*松原建設 工事部 飛島栄寛主任
「年々厳しさが増す現場において、従業員が安心・安全、働きやすい環境を整えると思って進んでいる」

熱中症の見える化

富山労働局の発表によりますと、県内の職場における熱中症による死傷者数は去年は12人で前の年より6人減少して、死亡者はいませんでした。

富山テレビ
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