『家庭教師のトライ』を運営するトライグループが、オンライン教材で「水俣病は遺伝する」と事実と異なる記述をしていた問題の続報です。
環境省はこの問題が「人権にも関わる大変重大な事案」だとして3日、経済産業省や文部科学省と合同で学習塾の業界団体に向けて注意を促す通知を出しました。
この問題はトライグループが提供するオンライン教材の動画内で、解説をする講師が『この病気が恐ろしいのは遺伝してしまうことです。妊婦さんが水俣病にかかり、生まれてきた赤ちゃんまでもが発症することがありました』と事実と異なる説明を行い、2015年から10年間にわたってこの教材が配信されていたものです。
【浅尾 慶一郎 環境相】
「経済産業省、および文部科学省と連名で団体所属の民間教育事業者に対して(通知を)発出した。内容は今回の事案を踏まえ、教材作成に当たっての注意喚起を行うものである」
浅尾環境相は3日の閣議後の会見でこのように述べ、『全国学習塾協会』に対して注意喚起の通知を出したと明らかにしました。
通知では、「本件は差別・偏見をさらに助長しかねない人権にも関わる大変重大な事案だ」と指摘。参照する教材やデータの選定に十分注意し、教材を作成する社員に向けて正しい情報を教育することや、チェック体制を強化することなどを求めています。
また、環境省は2日、熊本県など5つの関係自治体と連名でトライグループに改めて文書で要請書を送付。(環境省、熊本県、鹿児島県、新潟県、新潟市と水俣市)
再発防止策の検討と、それを実行するためのスケジュールを報告することなどを求めていて、浅尾大臣は「今週中に返答があるものだと思っている」と述べました。