魚市場ではおなじみの「競り」ですが、その一切を取り仕切るのが「競り人」と呼ばれる人たちです。
競り人の仕事はまず、競りにかける商品の産地などをうたいます。それを連呼しながら数十人の仲買人が示す手やり、指のサインを読みながら、最高値で競り落としていきます。早口かつリズミカルな言い回しはまさに熟練の技。
仙台市中央卸売市場では6月2日、2人の若者が「競り人」デビューを果たしました。仙台水産の西尾亮汰さん(24)と村田実優さん(24)です。
仙台水産 西尾亮汰さん(24)
「心臓バクバクです。飛び出しそうなんで、大きな声で頑張ります」
仙台水産 村田実優さん(24)
「考えると緊張しちゃうので、何も考えないようにしています」
石巻専修大学を卒業した村田さん。海や魚に携わる仕事をしたいとこの職を選びました。仙台水産で女性の競り人が誕生するのは実に20年ぶり。6月2日はホタテやアサリなどを競りにかけました。
2年間、現場で下積みを続けてきた村田さん。練習してきた成果を発揮しました。
仙台水産 村田実優さん(24)
「ホッとしています。やり切れたのでとりあえず。初日なので皆さん分かりやすく手を出してくれたり、ゆっくりやってくれた。これからはポンポンと手が出てくるので、ちゃんと見られるように頑張ります」
新人2人のかけ声は、これからも仙台市場に響き渡ります。