結婚のタイミングが遅くなる「晩婚化」や結婚をしない「未婚化」が進み、ブライダル市場は縮小傾向にあります。こうした中、鳥取県大山町のブライダル会社では、海外から日本を訪れ結婚式を挙げる「ブライダルツーリズム」に活路を見出そうとしています。
5月1日、鳥取県大山町の名和神社。はかま姿で参道を歩く2人の男性。中東のイスラエルから日本を訪れている同性のカップルです。約2か月間、日本の各地を巡り、結婚式を挙げるため鳥取県にやってきました。
巫女:
三々九度を行います。
2人の希望で伝統的な「神前式」で挙式。古式にのっとり、盃を交わします。
ニブ・ニッスムさん:
自然が好きだから、自然の中の静かなところで結婚式を挙げることができ、非常によかった。
挙式の後、2人は近くにある古民家カフェへ。
築120年の民家を改装し、古きよき時代の面影が残るしつらえのなか祝宴です。
餅つきに、お茶席も用意、日本の伝統文化を満喫しました。
ニブ・ニッスムさん アビデ・グリンバーグさん:
結婚式の一番大事なものは2人の経験。自分たちだけの時間を望んでいる方が、外国の方も多いと思うので、結婚の場所として、ここはすごく合ってるんじゃないか。
このウェディングプランを企画したのは、結婚式場の運営などを手がける大山町の「プリムローズガーデン」。
今回、結婚式の演出だけでなく、神社での式の手配、ウェディングの衣装、さらに宿泊先などを提案、プロデュースしました。
プリムローズガーデン・二連一星COO:
ブライダルを誘致して来てもらい、地域にお金を落としてもらうという仕組みを作ることができれば。
この会社では、2017年の米子-香港便の運航開始をきっかけに海外のカップルが日本で結婚式を挙げる「ブライダルツーリズム」の受け入れに力を入れ、現在はターゲットをアジアから中東まで広げています。
合わせて、自社の式場以外での挙式を始めてプロデュース。
これまで培ってきたノウハウを生かし、外国人向けに山陰に残る「日本らしさ」を体験できるブライダルプランを目指しました。
ニブ・ニッスムさん アビデ・グリンバーグさん:
神社も積極的に開けてくれて地元の方も一生懸命にやってくださり、宗教観とかというよりも、愛を感じられることができた。
宗教に対して寛容で多様なスタイルがあるのも、日本のウェディングの特色だといます。
プリムローズガーデン・二連一星COO:
山陰は、楽しんでいただくコンテンツに溢れているとお客様の方から教えていただくことが非常に多いこのブライダルツーリズムというのを、いろんな海外に向けてアピールしていきたい。
結婚のタイミングが遅くなる晩婚化や結婚をしない未婚化が進み、縮小傾向のブライダル市場。山陰でも生き残りに向け、企業が模索を続けています。