新潟県が24年度の県立病院事業の決算を発表し、純損益は過去最大となる46億円の赤字となった。運転資金にあたる内部留保資金が25年度末にも枯渇する見通しで、診療体制などへ影響が懸念される。

新潟県立病院 過去最大46億円の赤字に…資金枯渇の見通しも

「今年度末にも内部留保資金が枯渇する見込みとなっている。赤字額、今年度末の内部留保資金枯渇等、これまでにない極めて深刻な状況であると考えている」

こう話したのは、新潟県病院局の金井健一局長だ。

新潟県病院局 金井健一 局長
新潟県病院局 金井健一 局長
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金井局長が発表したのは、24年度の県立病院事業会計の決算について。収益から費用を差し引いた純損益はマイナス46億円で過去最大の赤字額となった。

県は24年、人口が減る中、赤字が続く県立病院の経営改革方針を打ち出し、病院機能や規模の見直しなどを進めてきたが、資材費や人件費の高騰などを受け、赤字幅は24年度当初の見込みよりも2億7000万円拡大。

25年度に26億円の収支改善を達成しない限り、運転資金にあたる内部留保資金が年度末に枯渇する見通しだ。

金井局長は「26億円の収支改善は相当な高い目標。実際に内部留保資金がなくなったらどうなるのか他県の状況も調べている。例えば時間外手当の支給を止めたとか、患者に迷惑がかかる中で夏場の冷房を止めたとか」と苦しい現状を語る。

“医療再編”避けられない状況に「地域住民には理解を」

こうした中、県は県立病院の経営改革をさらに急ぐ考えで、その一環として入院患者の減少が続く県立松代病院を25年4月に入院機能のない無床診療所とする方針を正式に決定。入院機能を同じ十日町市内の県立十日町病院に集約することにしている。

県立松代病院
県立松代病院

さらに、ほかのへき地病院でも規模の縮小が検討されるなど医療再編が避けられない状況だ。金井局長も県民へ呼びかける。

「地域住民関係者の皆様におかれては、この度の改編に対する理解を切にお願いしたいと考えているし、持続可能な医療提供体制の構築に努めていきたい」

県はまた地域医療に対する国の支援を引き続き求めていくとしている。

人口減少が続く中、地域医療をどう守っていくかは、将来的な課題ではなく、喫緊の課題となっている。

(NST新潟総合テレビ)

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